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Crimson in the Darkness
【ファンタジー 恋愛小説】

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Crimson in the Darkness -出遭-X-5

『神にか? それとも、教会と言うものにか……っ!?』





 掴んでいた手首をグッと前へと引っ張り、リアナは肩に引き寄せ背負うようにして前に投げた。…………これはまた綺麗な投げ技、背負い投げとか言うヤツだな。



 唐突なことにヴァンパイアは地面に背中を打ちつけ、寝転がる羽目になる。



 リアナは自分の腰に手を回し、ジャケットの下から銃を取り出した。





「ほとほと呆れますね。おしゃべり好きは結構ですが、人を口説くなんて場を弁えて下さい。子供が居るんですよ?」





 にっこり笑って、そう言ってはいるけど、その目は思い切り侮蔑を含んでいる。ヴァンパイアは苦虫を潰したかのように表情を憎悪に染め、立ち上がった。





『人間!! ワタシを見下すな!!』





 スッと銃口をヴァンパイアに向けるとリアナは冷笑を浮かべる。





「見下しているのはそちらでしょう? 私は“場を弁えろ”と忠告しているだけです。私一人で良かったですね。彼が居たら、即、消滅でしたよ?」





 彼って、アイツか? あの無愛想な男のコトか?





『…………――』





 漸くそれに気付いたのか、ヴァンパイアは赤い目を見開き、小さく呟いた。





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