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Crimson in the Darkness
【ファンタジー 恋愛小説】

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Crimson in the Darkness -出遭-V-5

「おい」



「…………――るな……」



「あ?」





 オレの地を踏む足音とか細い声が静かなこの広場に小さく響く。





「っ おれにっ、近寄るなっ……!」





 俯いたまま手を固く握り締めて、リーは搾り出すように声を上げた。



思わず足が止まった。でも、もう一度踏み出す。





「何言ってンだ? お前」



「触んな!!」





 傍まで寄って、頭に触れようとすれば、思い切り払われた。この前も同じ様なコトがあったな。





「さっさと帰るぞ。今日は満月だ。お前は外にいない方が良い」





 満月はヴァンパイア達の活動期だ。そんな時にフラフラと外に出るもんじゃねぇ。一人ならまだしも複数で来られたら応じきれるかどうか解からない。





「解かってるよ!! でも、今はダメだっ …………リアナ、居るから、……ダメ……」



「アイツがどうした」





 何がどうダメなんだ。見ていた限りでは何があったのか、解からん。


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