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唯高帰宅部茜色同好会!
【青春 恋愛小説】

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唯高帰宅部茜色同好会!(第三章)-9

***


「では、2−Eと2−Bの試合を始めます。互いに礼!」
審判を任された体育教師のよく張った声を聞くと、ついに本気の勝負が始まったことを知らされた。


まずはこちらの守備から。
ルールは五回まで。まずは最初をきっちり守りたい。

「締まっていくぞー!」

俺がショートのポジションから叫んだが、返ってきたのはやはり、キスケとユーリ、それから小さな声で経験者の二人が返してくれただけだった。

続けて審判が、プレイボールという言葉を叫んだ。

ピッチャーはユーリ。

その一投目はど真ん中のストライクだった。
打者は空振る。

「いいぞユーリ」
すかさず声をかける。


小学生のとき、よくこうやっていたのを思い出す。
キスケは今と同じ外野で、サキはベンチで見てくれていた。


そんなことを考えていると、ユーリが続けて投じたボールはいきなり痛打されてしまった。

「キスケ!頼む!」

勿論、打球はキスケの方には飛んでいない。ボールはレフト方向に伸びていた。

だがキスケの隣のポジションであるレフトは、全然やる気のないやつ。

ましてや経験もないのだろう。
平凡なレフトフライを捕れず、ボールはバウンドした。
慌ててキスケがボールを追いかけて拾い、俺に投げたが既にバッターは二塁まで進んでいた。

「いきなりツーベースヒットか…予想の範囲内ではあるが…」

やはり厳しいな。


その後は三振とセンターフライでツーアウトまでこぎつけたがその後、一気に連打を浴びて四失点してしまった。

どの打球もいってほしくない方に打球が飛んでいく。

それもほとんどが外野への当たりなのでキスケは右に左に走らさせられてしまっていた。

「キスケが初回でバテてしまう…」

焦りからそう呟いたとき、ユーリが次のバッターをファーストゴロに打ち取ってようやくチェンジとなった。

「悪い」
「しゃーないぜ」
「…最初の攻撃だ。目に物見せてやろうぜ」
「ああ」
励まし合いながらベンチへ戻った。

だが、いざベンチに戻ってみると、既に他の選手は座って水を飲んでいた。

これには流石にカチンときた。
本当にやる気ないのな。

「……アッキュ、気にするな」
「お、おう」
俺の苛立ちが態度に出ていたらしい。


そんなときだった。

後ろからパァンという乾いた音が鳴り響いた。
なんだか風船が割れたような音にも聞こえたそれを不思議に思い、ユーリと共に振り返る。


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