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〈価値観〉
【鬼畜 官能小説】

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〈価値観〉-6

小高い畑の傍の雑木林、その中にある、少し大きな農機具小屋。
窓にはトタン板が打ち付けられており、その中を窺い知る事は出来ない。
その中には、肥料袋の山と、錆びたトラクターが置かれていた。
肥料袋のビニールは劣化し、破れて中身が零れ出し、トラクターには白く埃が積もり、蜘蛛の巣があちこちに張り付いていた。
そのトラクターの荷台に、富代は乗せられていた。

紺の制服姿のまま、手首と足首には革の枷(かせ)が着けられ、それらは8の字の金具で繋がれていた。
手首と足首、それぞれが連結された姿で、仰向けで毛布の敷かれた荷台に横たわり、股間を広げるように、膝にも麻縄が巻き付けられ、それは荷台の荷物固定フックに結ばれていた。
股間を広げたふしだらで無様な姿は、天井からと、部屋の四隅に固定された懐中電灯の直線的な明かりに照らされ、暗い部屋の中に浮かび上がっていた。

この小屋は、修二の祖父が使用していたのだが、両親が離婚してすぐに亡くなっており、それからは誰も使ってはいない……。



「お…ふ……」


電流によって麻痺していた神経は、僅かずつその呪縛から解放され、また元のように動けるようになってきていた。


『へへ…へ…』


時折、顔がピクリと痙攣するが、その表情は、少しずつ感情が読み取れるようになってきていた。
フラフラとさ迷う視線は、荷台の横から見つめる修二と重なった……その瞳には、拉致という犯罪を犯した修二への恐怖と、それを自分に対して行った事への怒りが映し出されていた。



『と、富代……フヘ…へへ……』

「んも!?んごおぉ!!!」


修二は荷台に飛び乗り、富代の隣に腰掛けた。
荷台がギシリと軋み、富代は怒りの呻きを発した。
修二の指が、滑らかな赤毛の感触を楽しみ、頭皮の温もりを覚えている……富代にとって、それが許されるのは孝太郎だけだ。


「も"……ぐぅ!!ぐぉ!!……んお!!!」


少し涙の浮かんだ目で修二を睨みながら、まだ痺れの残る身体を必死に動かし、頭をフラフラと左右に振って、修二の手を振り払おうと足掻く。
女性にとって、髪はやはり命なのだろう。
頭髪に感覚は無くとも、孝太郎に優しく触れられるだけで、いつも富代は身体の芯まで響くような快感を覚えていた。
それを、男性としても人間としても、生理的に受け付けない奴に触れられるとは……毛髪の一本一本が悲鳴をあげ、そのまま腐り落ちていくような、凄まじい嫌悪が全身を駆け巡る。
手首と足首を固着させられ、手足の自由を奪われたままで身体を捩る様は、蝶々の蛹(さなぎ)の蠢きにも似ていた。
そんな富代を見下ろしながら、しつこく修二は髪をかき上げ、逃げ回る頭部を撫で回す。
富代が呻けば呻く程、抵抗すれば抵抗する程、修二の心は喜びを覚えていた。


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