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HOLIDAY
【女性向け 官能小説】

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HOLIDAY-前編--5

「なに?苺が欲しかったの?やあねえ。パパが一生懸命つくってんのにな」

悠太が姉貴の膝をおり、テーブルに手をついて伝いながらコッチにくる。

「あっ。早くケーキ食べちゃって。そっちのブルーベリー狙ってる。」
「いいよ。やるよ」

僕は悠太を膝に座らせた。
モコモコした尻が胡座をかいた僕の足許に収まる。
ブルーベリーを近づけると口を開けた。

「さっさと、食わないと美里さんのも食われるよ」

美里さんはにっこりと笑うと、自分のケーキの上のバナナと黄桃を僕のケーキの上に載せた。

「くれるってさ。よかったな、悠太」
「けひっ!」

妙な笑い声を上げて愛嬌を振りまく。

「ふふ。なんのためのおもたせか分かんなくなってきちゃったわー。悠太ー」

悠太に果物を食わせる僕を姉貴が気持ち悪いぐらいニコニコして見ている。

「なんだよ?気持ち悪い」
「しっかし、あんたが美里ちゃんにあんな甘い顔するとは思わなかったわ」
「蒸し返すなよ…」

美里さんは真っ赤な顔で下を向いてる。

「いやいや。エロいっていうより、すごーく綺麗だったの。ほら、圭ちゃん体格いいし、美里ちゃんは華奢だからね、すごく絵になるってか。」
「だからね、二の句の継げなくなるようなことは言わなくていいよ…」

僕は落ち着かなくて紅茶のカップを取った。
悠太は僕の膝から降り、テーブルに手をおいたまま美里さんの方に伝いはじめた。まあ、いいや。

「ねえ。素朴な疑問。あんたたちっていつもあんなユルイの?」
「ぶっ」

紅茶を吹き出しそうになった。

「だってね。普通の会話のトーンだったわよ、アレは。Hの最中の声じゃないわ」
「姉貴ー。それ、答える必要ある?」

美里さんは真っ赤な顔をしつつも、悠太と遊びはじめた。
こっちの会話には入る気がないらしい。それでいいけど。

「いや、気になったから聞いてみただけ。あれでイけるの?不発?」
「……」

僕は、テーブルに額を打ち付けてつっぷした。

「……それも、答える必要あるかなあー」

イけるわけないじゃないか。あの状況下で。

「ねえねえ。美里ちゃんはあんなのでいいの?」

うわー。そっちに話をフルなよ。
真っ赤な顔の美里さん。姉貴が相手じゃ『ぷい』っと顔を逸らして逃げるわけにもいかず、俯いている。

「姉貴。そういう話は美里さんにはしないでくんないかな?」

姉貴がからかう以上のことをするつもりがないのは僕には分かるけど。
美里さんにソレを理解しろとは言えない。
軽く、姉貴を睨むと、上目遣いで黙った。


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