投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

Crimson in the Darkness
【ファンタジー 恋愛小説】

Crimson in the Darknessの最初へ Crimson in the Darkness 30 Crimson in the Darkness 32 Crimson in the Darknessの最後へ

Crimson in the Darkness -来臨-T-3

「襲われちゃうよ? 結構ケモノだからね。アークって。見てて解かるでしょ?」

「ケモノ?」



 ケモノってなんだ。だから、ンなコトをガキであるコイツに言ってどうするんだよ。



「…………シエル……、ガキに何言ってやがる」

「気をつけなよ? リーちゃん」



 『食べられちゃわないようにね?』そう言いながら愉しそうに笑って、シエルは満足そうだ。



 ギョッとした顔でオレを見上げたリーは一歩後ろへ下がる。



「え゛っ? 食べるのか!? アークって人間じゃないの!?」

「ふざけんな!! オレは人間だ! シエル、余計なこと言ってないでさっさと帰れ!」



 どう言う意味だ?



 あんなモンに追われてるから警戒すんのは当たり前だけど、オレが人間じゃねーように見えるのか?



「ありゃ、怒らせちゃったね。じゃ、帰るよ。またね、リーちゃん」



 のんびりと玄関に向かうシエルを追い立てるように、後ろを歩く。靴を履き終えたシエルはオレの顔を見ると、いたく真面目な表情で口を開いた。



「あ、そうだ。忘れてた。今日、本国からお客さんが来るから、早めに教会に来いっていう伝達あったんだ」

「あ? 本国?」



 『本国』――オレやシエルの所属する正教会が本拠地としている国のこと。つーことは……



「うん、なんか、お偉いさんが来るみたいだよ? 先日の件について詳細を本人から聞きたいんだってさ」

「はっ、メンドクセー」



 溜息と一緒に本音が出た。



 事態はこっちの知らないところでデカくなってるってことか。気に入らねーな。


Crimson in the Darknessの最初へ Crimson in the Darkness 30 Crimson in the Darkness 32 Crimson in the Darknessの最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前