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Crimson in the Darkness
【ファンタジー 恋愛小説】

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Crimson in the Darkness -来臨-T-1

「おおっ」



 感嘆の声が上がった。



「すっごいねー。リーちゃん」

「おおっ」



 意味が解かんねぇ。なんなんだ。コイツら二人揃って、人の顔見るなり驚きやがって。しかも、リーは『おおっ』しか言ってねぇし。



「何の話だ」



 つーか、何でシエルが居るんだよ。人が風呂入ってる間に部屋に上がりこむか? 普通。



「サッパリしたねー。アーク」

「は?」



 やっぱり意味が解かんねぇ。顔を顰めると、シエルが顎を摩ってみせた。



 ああ、そーいうコトかよ。



 やっと納得できたオレの傍にいつの間にか寄ってきたリーは服を引っ張って、満面の笑みを浮かべて口を開いた。



「それなら20歳にも見えるぞ! アーク」

「お前、喧嘩売ってんのか?」



 ヒゲを剃ったくらいで何でそんなに感動されなきゃならないんだよ。ふざけんなよ。



「そーじゃないけど。そっちのがカッコイイじゃん。何でヒゲ伸ばしてたんだよ?」



 相変わらず粗雑な言葉遣いだな、オイ。



「あれは不精ヒゲだよ」



 知らない言葉だったらしく、リーは小首を傾げた。



「ブショーヒゲ? 武士のヒゲ?」



 だから、何でンな言葉知ってんだよ。思わず溜息が出たぞ。


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