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けんぽなし
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けんぽなし〜オトナ〜-7

ー………

大人って何だろう…
いつから大人になるんだろう…
どうすれば大人になれるのだろう…
大人はいつも忙しくて、子供の為にと言い訳を口にする…
大人になれば生きていくのが簡単になるのだろうか…
迷わず、悩まず、進んで行けるのだろうか?

私達はまだ子供なのだろうか?
そんな事を考える私は…
私はやっぱり子供なのだろうか?


今日は1人で宿題をやろうと、図書館へやって来た。
太一の部屋では落ち着かない…
‘さくら’と別れたらしい耕太郎と最近様子のおかしい空…

耕太郎とのこと…
空の言うとおりチャンスなのかもしれない…

だけど、何でだろう…ちょっと違う気がする…

ー…みんな…どうやって付き合うのかな…?…

マンガみたいに、ドラマみたいに、お互いに好きで、付き合う事は難しいのかな…

とりあえず…とか

私には、高度すぎる…

「みーーつっけた」
ドキっ!!

突然、耳元に息がかかる。

!!っ

「歩っ!?」
「シー」
歩は私の口に人差し指を押し当て、私の隣に腰を下ろした。
「探してたんだって?絵梨沙から聞いた」
「あ…うん……」

昨日の夜、長々と絵梨沙と話し込んでいたのだ…

「瑞樹、お節介やってるんだってね…」
「え…」
「止めといた方がいいんじゃない?」
「どうして…?」
「色々あるでしょ…事情ってものが」
「どうして?」
「…じゃあ、責任とれるの?あんたが助けた気になってるもの、あんた最後まで責任とれるの?ちゃんと一緒に背負ってあげられるの?」
ー………
「…悪いけど、私は保育園ごっこより今の繋がりの方が大事だから、やめないよ、援交」
ー!!っ
「何?その顔、確かめる勇気もないくせに、善人ぶるの、って、ムカつく」

歩はそう言うと、静かに立ち上がり、去って行く…

歩のつけていた香水の香りが体に巻き付くようで…
私は身動きを取れずにいる…

ー……善人…なんかじゃない…私は…あの頃のように、笑い合いたいだけなのに…

それは、難しい事だろうか…

太一の事以来、逃げないと決めた私…
それは、偽善なのだろうか…
いや…そうじゃない…
私は、自分が苦しみたくないだけなのかもしれない…
逃げ出す罪悪感を感じたくないだけだ…

…やっぱり、私は自分の事しか考えてないんだ…

『知らないオヤジとホテル行って自分を安売りするのが…』
ふと、空の言葉が頭に浮かぶ…


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