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『滝くんの愛読書』
【学園物 官能小説】

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『滝くんの秘密』-11

料理を食べ終わるころには時刻は八時くらいになっていた。外はすでに真っ暗だ。

「大変、もうこんな時間!龍之介、こゆきちゃんをちゃんとお家まで送ってあげてね」
「大丈夫です。道分かるので…」
「だめよ!もう遅いんだから」

滝くんのお父さんはそう言って私達を玄関へ向かわせた。

「必ずまた来てね」

そう言って滝くんのお父さんはぎゅうっと再び私を抱き締め、エレベーターのところまで見送りをしてくれた。





「すごくいいお父さんだね」

バス停までの道を歩きながら私は滝くんに話し掛けた。先程から滝くんの様子は少しおかしい。食事の間も口数が少なかったし、今も無言のままだ。

「…そう?」
「うん。お父さんとお話しできてすごく楽しかったよ」


私がそう言うと滝くんは足をぴたりと止めた。

「佐々山さん、俺と別れようと思ってない?」
「えっ?」

私はまさかの言葉にびっくりして滝くんの方を見た。何だか思い詰めたような表情をしている。

「な、何で?」
「父さんのこと…やっぱりおかしいと思うだろ?俺、絶対佐々山さんには知られたくなくて…なのに…」
「確かに初めはびっくりしたけど、でもすごくいいお父さんだったし私はおかしいなんて思わないよ。本当だよ」

必死でそう言った瞬間いきなり滝くんに抱きすくめられた。

「俺のこと嫌いにならないで」

小さい声だったけどはっきりと耳元で滝くんがそう言った。いつもの滝くんはクールで本当に私のことを好きでいてくれるのかなって不安になるくらいなのに…。

「好きだよ。滝くんもお父さんも。ほんとだよ」

滝くんを安心させたくて私は何度もそう言った。

「俺も大好き…」

滝くんの腕にますます力が込められる。雪の降りそうなくらい寒い夜だったけど、滝くんの腕の中はとっても暖かくてこのまま溶けちゃいそうなくらい幸せだった。
きっとまだまだ私の知らない滝くんの秘密はいっぱいあるはずだ。

(…秘密を知るたびに滝くんのこともっと好きになっちゃうんだろうな)

そう思いながら私は顔を上げ、滝くんの頬にそっとキスをした。


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