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闇からの招待状
【フェチ/マニア 官能小説】

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闇からの招待状-4

 やがてトラックが止まると、さっきの男性が鉈のようなものを持って荷台に乗り込んできた。まず足首を、それから背中に回ってその大きな刃物で太いロープを切ってくれた。やっと両手と両脚が自由になった。紫色に変色した両腕のロープの跡を見ながら、私は泣き崩れた。
 私はクアラルンプールの警察に案内された。じつは、同じ手口の誘拐事件が最近、同国で頻発していたのだ。私の両親は飛行機でこちらに向かっているという。
「犯人のアジトに、まだ捕らわれている子がいるんです」
「もう犯行グループの絞り込みは進んだ。アジトも先ほどわかった。もうすぐ踏み込めるはずだ」
 私は少し冷静になった。

 誘拐団は翌日、摘発された。ナイジェリア人の3人組、白人の男2人、華僑系マレーシア人女性2人の計7人が逮捕され、アフガンの少女も同時に救出された。両親から被害届を受けた警視庁がマレーシア警察に捜査協力を要請し、現地警察は密かに動いていたのだ。ところで黒のショートパンツ姿の私の緊縛写真を納めたあの携帯電話は、どうなったのだろう。

 新学期が始まった。日本は平和だな、と思う。でもその日本にも、ナイジェリア人系の誘拐シンジケートが密かに潜り込み始め、警察は警戒を強めているという。そんな新聞の小さな三面記事に、ふと目が留まった。


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