はしたない女-10
[ ねえ、さっきの弘樹君と３人でしたりするの？ ]
さくらちゃんは笑いながら言った。
[ まさかぁっ！
でも内緒やけど、弘樹とも一回やった事あるねん。 ]
さらりと言ってみせた。
次の日になってさくらちゃんと弘樹君、二人で新大阪まで見送ってくれた。
新幹線が動き出してもさくらちゃんはいつまでも手を振ってくれた。
今度ここに来る時はいつの事だろうか…
二人の結婚式かも知れない。
でも、私はあの二人がいつまでもこのままでいるような気がした。
いつ来てもこのままでいてほしいような気がした。
さくらちゃんは昔からちっとも変わっていない。
さくらちゃんの明るいはしたなさを見習えば、もっと幸せになれるような気がした。
今思えば人前でなりふり構わずじゃなくて、はしたなくても明るくしていれるような関係が大切なんじゃないかと思った。
そんな思いの中で通り過ぎるこの不思議な街、大阪の景色を私はひとり見送っていた。