帰って来た男＝恋敵出現！？-3
3 翌朝
「おはよう」
孝之がそう言ってきた。やけに爽やかだな。
「お、おはよう」
結局、昨日はあれから一度も話すどころか、顔も合わしてなかったので気まずい。
「……白雪」
「なんだよ？」
「お前がどれだけ、太田を愛してるのは解った。奪うのも無理だ」
諦めたか！！良かったぁ。
正直かなり不安だった。憲に言ったら怒るな。
憲がアタシから離れるって考えただけで、正直震えが止まらなくなる事がある。
舞姫祭の時に、憲も不安だったって事は解って、少し安心したけど、脳天気にはなれそうもないな。
「だからだ。高坂を狙うことにした！！」
……………へ？
考え事していたアタシは、耳を疑った。
「た、高坂を……？」
「そうだ！彼はフリーなはずだからな！」
ガッツポーズを取って、闘争心を奮い起たせている。
た、タフと言うか、転んでもただじゃ起きない所も相変わらずだな……。
高坂、ご愁傷様。
悪夢の様な三角関係だな。同情を禁じえない。
高坂、頑張れよ。アタシは影ながら応援してるよ。
ＥＮＤ