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彼女の匂い
【フェチ/マニア 官能小説】

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彼女の匂い-1

 ある仕事が休みの日、私(杉崎健太)は渋谷へ行った。
 別に何かあてがあった訳ではなくただブラブラと街を歩いていた。
 ふとトイレに行きたくなり、あるパチンコ屋に入りトイレを済ませ店内をうろつき、スロットコーナーを見ているとショートカットの二十代後半位の女の店員に気づいた。
 彼女はあまり客がいないにもかかわらず空いている台を拭いたり一生懸命に仕事をしていた。
 私は暇そうな店なのに頑張っているなと感心し、忙しく動き回る彼女とすれ違った。
 その時彼女からふとある匂いを感じた。
 汗の匂い、というより腋の下の匂い、それも結構強い匂いだった。
 最初は他の人の匂いかと思い顔をしかめ周りを見回したが周りには誰もおらず間違いなく彼女からの匂いのようだった。
 私は不思議と自分がその匂いに興奮している事に戸惑ってしまった。
 普通、男女関係無く他人の腋の下の匂い、悪くいえばワキガの匂いなんて不快に感じるものだろう。
 私も今まではそうだった。
 しかしちょっと美人系の彼女から発せられる匂い、暖房のせいでかなり暖かい店内で一生懸命働いている為にかなり汗をかいているのだろう、そんな匂いに私は興奮して彼女に好感をいだいてしまった。
 とりあえず台に座りスロットを打ったが彼女が後ろを通るたびに体が勝手に匂いを求めてつい振り向き彼女の匂いを嗅いでしまい全くスロットに集中できなくなっていた。
 直接腋の下に直接鼻をうずめて匂いを吸いほしたい、私はそんな気持ちで一杯になってしまい…。
 その日から私は毎日のように仕事が終わるとその店に通うようになった。
 幸い近くに人気店がある為に客はいつも少なく、また彼女も遅番の時が多い為に二ヶ月もすると私が店に行くと自然に言葉を交わすようになっていった。
 名札のおかげで名前(吉沢祥子)も判り私も彼女に名字を教えお互いに吉沢さん、杉崎さんと呼び合うようになった。
 ある日私は帰りがけに彼女にさり気なく聞いてみた。
「ねぇ吉沢さん、彼氏とかいるの?」
 すると彼女はワザと拗ねたような顔をして
「いたらこんな毎日夜遅くまで働いてないよ、それに私全然モテないし…杉崎さんだってこんな毎日パチンコ屋にばっかりいるんだから彼女いないんでしょ、もったいないね格好いいのに」
と言いながら最後には笑顔になっていた。
 私は思い切って
「俺本当は別にそんなにスロット好きって訳じゃ無いんだよね」
 そう言うと彼女は笑いながら
「嘘だぁ、だってほとんど毎日来てるじゃない」
とすかさずツっこんできた。
 私は今しか無いと思い
「実はさ…本当は吉沢さんに会いたくて…毎日来てたんだ、あの、もし迷惑だったらもう店に来ないから、迷惑じゃなかったらここに電話くれるかな、俺本気だから、じゃあ」
 そう言って用意しておいた携帯番号を書いたメモを彼女に渡して店を後にした。
 途中一度だけ振り向くと彼女は驚いて固まっていた。



 その日の夜、あと三十分で日付が変わるという頃、彼女から電話があった。
「あっもしもし…起きてた?ごめんなさい仕事が終わって今家に着いたから…」
「起きてたよ、っていうか電話来るかどうかドキドキして全然眠くなかったからさ」
「本当に?それより今日凄くビックリしたよ、私あんな事言われたの初めてだったし、それも仕事中に…」
「ごめんごめん、でも吉沢さんの仕事中にしか会えないからさ、それより電話くれたって事は俺の事迷惑じゃ無いって思ってもいいのかな?」
「う、うん、あのね…最初はただパチンコ好きな人だなぁって思ってただけだけど…段々杉崎さん今日も来るかなぁって思うようになってたの、そしたら今日杉崎さん突然あんな事言うから私本当に驚いたけど、正直…嬉しかったよ、だから電話したんだ」
「ありがとう、本当に嬉しいよ、ねぇ、今度休みあわせてどっか遊びに…」
 そんな訳で私達は付き合うようになった。
 呼び方も杉崎さん、吉沢さんから健ちゃん、祥子に変わった。
 私の仕事は平日休みの為彼女と休みを合わせやすく、何度もデートをかさね遂に…


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