投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

脅迫文=恋文?
【コメディ 恋愛小説】

脅迫文=恋文?の最初へ 脅迫文=恋文? 8 脅迫文=恋文? 10 脅迫文=恋文?の最後へ

恋=戦争!?-2

2 「……で、どうなのよ」
「どうって、何が?」
「太田君との仲に決まってるじゃない!!公然とキスしてるんだから、もういく所までいっちゃった?」
ブッ!!アタシは思わず飲んでいたコーヒー(ブラック)を吹いてしまった。
「い、いってねぇ!!だいたい、憲がアタシの事、好きなのかも分かんないのに出来るわけないだろ!!」
「な、何を言ってんのよ。あんたの事好きじゃなかったら、太田君はあんたの側にいないわよ」
むぅ……確かにそうだとは思うけど、思いたいけど……!!
うつむくアタシに麻衣は怪訝な顔をして、聞いてきた。
「……なに、もしかして、うまくいってないの?」
「仲は、多分良いと思う」
「多分…?どういう事よ」
アタシは麻衣に、まだ憲から『好き』と言う一言をもらっていない事を告げた。
「……ホントに?」
無言で頷くアタシ。多分、くら〜い顔してるだろな。鏡に映すとひび割れるかも……。
「あちゃ〜…」
「やっぱり、アタシみたいな女らしくないヤツなんて、嫌なのかなぁ」
「まぁ、確かにアンタは女らしさを捨ててるわよね。……お父さんが出てってからだっけ?」
麻衣の言う通り、アタシの女らしさの無さは父親が原因だ。
中学一年までは、アタシの女らしさはまだ20%OFF程度だった。
ところが、アタシが中二になった夏に、父親が愛人作って、出ていきやがった。それまでのアタシは父親を世界で一番信用していた。が、見事に裏切られた形となり、男に凄まじい嫌悪感を持ったアタシは女らしさをキッパリ捨てたのだ。
「あれから、アンタも過激になったよね。奈美子(友人)をもてあそんだ男の家にその男の顔写真貼った藁人形、五寸釘刺したヤツ送ったっけ。着払いで」
「う……」
「セクハラ教頭の愛車のエンジンに水入れて、お釈迦にしたり」
「うぅ……」
「あとはぁ……」
「も、もういい!!」
慌てて麻衣を止めるアタシ。ほっといたら、封印したい過去が麻衣の口から溢れ出かねない。
「でもさ、こんな壮絶な過去を持って、尚且学校中から畏れられてる矢城白雪が、一人の男に右往左往するのは見物よね」
「……見物料は、アタシのコーヒー代ね」
「あぁ、ウソウソ。だから、そんなに睨まないでよ。それにさ、学校での噂、例えば化学室爆破とかはデマって事は言ったの?」
麻衣の言う通り、アタシの高校に入ってからの噂は殆んどがデマだ。中学時代の噂からそういう風な噂が流れ、アタシ自身、否定しないし性格は黒いし……。
「言ったよ」
「何だ、言ったの?てっきり、太田君はひれの付いた噂にしり込みして言えないのかと思った。まぁ、アンタの場合、腹びれは殆んど着いてない代わりに胸びれと尾びれがおっきいけどね」
「中年オヤジか…」
「失礼な!……でもさ、だったら残る手段はひとつだけだよ」
「……なに?」
「『好きって言って』って、おねだりする!!」
「はぁ!?」
「当たって砕けろよ!ほら、某空賊の女親分も言ってたじゃない。『女は度胸だ!お前たち援護しな!!』」
いや、後半は要らないけど、確かにね。うじうじと、アタシらしくなかったかも。
「うん!そうだ!『女は度胸だ!』……当たって砕けてやろうじゃん!!」
立ち上がって、アタシはグッと手を握る。
「ありがと、麻衣。じゃあ、アタシ帰るね!」
「あ、コラッ!!コーヒー代置いてけ!!」

次の日、アタシは覚悟を決めていた。もしかしたらフラれるかもしれない。けど、けどね。知りたいんだ、憲の気持ちを……。
朝は駄目だ。憲は低血圧だから、いつも半分寝惚けてるから、ちゃんとした答えは望めない。勝負は…放課後!!


脅迫文=恋文?の最初へ 脅迫文=恋文? 8 脅迫文=恋文? 10 脅迫文=恋文?の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前