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近距離恋愛
【学園物 官能小説】

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近距離恋愛−vol.2-2

「…なるほどね〜。」
近くにある自販機まで沙織は歩いていき、カフェオレを買って帰ってきた。
「煙草と、コレは切っても切れぬ仲なの。」
もの問いたげな私に、沙織はそう言いながら、カフェオレのタブをカコッと開けた。
一口飲んで、煙草を一口。
そうしてから沙織は、やや真剣な眼差しを私に向ける。
「でもね、もうあんたの気持ちは、智さんにある訳でしょ?」
「うん。」
「じゃあ、もう勇君にヨリは戻せないし、そんな気も無い!って話さなきゃ。」
「…そう、だよね。」
「諦めて話さないままじゃ、何も進まないじゃん。」
沙織のアドバイスが身に染みた。
こうやって、真剣に話を聞いてくれる友人がいることが、私は嬉しくなった。
「ありがとね。」
いいのよ、と良い女オーラを解き放つ笑顔で、沙織は煙草を灰皿に入れた。

「ちょっと待って!」
話も大方済み、とりあえずサークルの集まりに行こうと歩き始めて、私は大きな声を出した。
「な、何っ?」
ちょっと驚いて、沙織は振り返る。
「智さんって……先輩の事、その……。」
私が想いを寄せる、先輩の名前、真鍋智(まなべさとし)である。
え?先輩と沙織?と頭を悩ませていると、全てを掻き消すような、大きな笑い声が聞こえてきた。
「おっかし!無い無い!あんた、お姉の彼氏の名前覚えて無いの?」
お腹を抱えながら、沙織は愉快そうに言う。
ちなみに、このお姉とは、沙織の姉の事。
コレがまた、沙織とは違うタイプ、クールビューティーといった感じの美人なのだ。
神様、この姉妹の半分で良いから、可愛さ、分けて下さい。
と、入学当初に考えたこともある。

あ、彼氏の名前ね。
なんだったかな〜と頭を捻る。
「え〜っと、孝輔?だったっけ?」
まだ笑いが止まらない沙織は、うっすら涙を浮かべながら答えた。
「そそ、ま・な・べ・孝輔!」
「て事は……?」
「お姉の彼氏の弟な訳。」
自分がちょっと恥ずかしい。
「あ…の、ごめん。」
「いいって、久しぶりにこんな笑ったし。お姉がいつも智君て言うからさ、さすがに私は君で呼べないし。だから、智さん。」
「なるほど……。」


そこから、馬鹿な話を延々として、二人で少しサークルの集まりに顔を出した。
先輩は何故か来ていなくて、心配な反面、ホッとした私がいた。
気付けばもう8時を過ぎる頃、沙織と私は適当に席を立った。

「じゃあ、絶対今日中ね!」
そう言って、沙織はひらひら手を振りながら、改札を通る。
「はぁ〜い。」
あまり気の無い返事をして、私は沙織と反対方面、つまり、勇と先輩の部屋がある駅に着く電車のホームへと歩いた。


そこからは、緊張のあまり、気付くと勇の部屋の扉の前にいた。


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