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近距離恋愛
【学園物 官能小説】

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近距離恋愛−vol.1-1

大雨の日。
何故、私がマンションの扉の前で、
ずぶ濡れになりながら待っているのか。

話は1時間前に遡る。

私こと、増田藍(ますだあい)はサークルの飲み会に参加していた。
もうそろそろ二次会……カラオケかな、と考えていると急に電話が鳴った。
−着信 大澄 勇(おおすみゆう)
携帯の画面に鮮やかに浮かぶ文字。
「ごめん、ちょっと。」
そう言って、しつこく口説いてくる男共を黙らせる。
「あー、勇君でしょ?」
お酒も入っているせいか、にやにや笑いと嫉妬の交じる、女の子達の視線を軽くかわした。

−「はい?」
「あ、藍?ごめんな。邪魔して。」
特別にでもないけど、優しさのあるいつもの話し方。
勇のそんな所が好きだ、とか言って(笑)
「いいよ、どした?」
「んー…声、聞きたくなった。」
照れた声に堪らなくなってくる。
「今日は二次会パスするから、勇の家、行っていい?」
「雨降ってるし、無理はしなくて良いから。」
「とりあえず解散したら連絡するね。」
愛されてるなあーなんて思いながら、自然と緩む頬。
「じゃあまた後で。」
旅行サークル、別名『飲み会サークル』のマドンナとして、笑顔でまた席に着いた。
30分ほどして、カラオケへの移動の際、私は男性陣の惜しむ声を背に駅へ向かう。

今日は驚かしてやる!
なーんて可愛い事を思って、私は勇に連絡を入れず、勇の一人暮らしのアパートへ急いだ。
小雨だった雨が、段々本降りになった時にはもう、勇の部屋の前にいた。
お酒とつまみと、勇の大好きなアイス。
駅で寄ったコンビニで買った袋をさげて、少し濡れた髪、走ったために荒い息遣い。
今夜は、この姿を見た勇が襲ってくること間違いなし!ないい女だった。
静かに、ゆっくりと合い鍵を鍵穴にさして、ドアを少し開いたその時だった。

−「あっ、あん!だめっ!」

明らかに!女の喘ぎ声。
……いや、勇だって男だ。
AVの一本や二本、寛大な心で…!と考えていると、
「あっ!いいよ!勇くん…中に出してっ!」
…現在進行系?
勇が浮気?しかも中出し?


−そんなこんなで、私はドアをソッと閉め、ずっと雨にうたれてる。
入るに入れないし、中出ししてるし、しかも私の前に一発抜くなよ!
いや、まず浮気かよ!が正しいか。
「どうしよ。」
いくら秋だと言えど、勇の好物のアイスはもうとっくに溶けていた。

「…おい、おい!増田!」
ここで私が部屋に入っていったら終わるだろうな、浮気は許せる?……無理か。
なんて一人で討論していると、急にその声が耳に入った。
恐る恐る振り返ると、同じサークルの先輩で、顔は良いけど、性格は悪いらしいと噂の真鍋 智(まなべさとし)が立っていた。


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