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白銀のたまご〜パチプロチーコの生活
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白銀のたまご〜パチプロチーコの生活5-9

[ はぁ…もぉっ… ]


この前シンちゃんにしてあげたみたいに、私は口で硬くなったそれにつけてあげようとして、ゴムをくわえた唇を寄せた。


ぴゅっ…


[ ヤダぁバカっ!
顔にかかっちゃったじゃない ]

[ だって…もうイキそうだったのにイジりまわすんだもん… ]


… … … …

あの定休日から数えて7日目…


私はこの一週間まったく収入がない。

そして今日はまた定休日なのでシゲルはテネシーに行ってしまった。


ちなみにシゲルのこの5日間の収支はプラス2万4千円だというけど、自己申告なのでどうだか?…


今日はテネシーに遠征するというシゲルと一緒に出てみようかとは思ったんだけど、一度打ってしまうとまたパチンコが止められなくなると思ったのよね。



…行かなければいつまでも収入がなくて、行けばまた止められない。

そもそも突然、行ったところで勝てる確証なんかどこにもないじゃん…


そうは言っても結局、私はシゲルを追いかけてテネシーに足が向いちゃったのよ。



パチンコ店には独特の匂いがある。

タバコの匂いと鋼鉄の玉の匂い…

それに機械の匂いや芳香剤の匂いが入り混じって…

人の歓声やため息…


これはまた、ホールによって違った匂いがする。

その匂いがパチプロの私に安堵と緊張感を与えるの。



テネシーの匂いは私の中に染み付いた何かの匂いに思える。

私はいつもこの匂いの中で、なけなしのお金をやりとりしていた。



シゲルの様子を見に行ったが声はかけなかった。

手元にひと箱持っていたけど、表情から見て勝ってる顔ではなかった。



それから私はまた前のようにロビーに座って、しばらくホールをただ眺めていたのよ。


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