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転校生日記
【フェチ/マニア 官能小説】

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転校生日記-2

 4月18日、初めて体育のK先生にお仕置きをされてからちょうど1週間。今日もこれからK先生の授業だ。K先生は30代半ば、いまは普通のOLにしか見えないけど、筋金入りの体育会系だったらしい。10代の頃は男の子みたいな短い髪で陸上は何でもこなしたという。性格もさっぱりしてるっぽい。
 K先生にいきなりグラウンドを走らされる。走るのが苦手な私はみるみる一番後ろに下がってしまった。
「一番遅い子はもう1週」
 K先生の声だ。その時、S子が急にスピードを緩めて私が追いつくのを待った。
「N子、一緒に走ろう。2人で走ればビリじゃないよね」
 笑いながら言うS子に私も笑顔でうなずいた。これがまた、K先生を怒らせてしまった。
「あんたたち、2人とももう一周」
 そう言うなり、1周地点で待ち構えていたK先生は、S子を捕まえてそのお尻をピシャリと平手で叩いた。
「真面目に走りなさい!」
 急いで逃げようとした私も捕まった。ピシャッ! イテッ! もう私はすっかりK先生に睨まれていた。

 4月20日、これからはもう甘やかさない、躾は他の子と一緒、それが両親の学校側への意思だったことを私はU先生の口から聞かされた。もう新学期が始まる前のこと、両親は担任になるU先生に会いに来ていたのだ。両親は私の転校をむしろチャンスと考えていたそうだ。誰も病弱だった私の過去を知らないからだ。U先生は、普段は笑顔の絶えないまだ30そこそこの穏やかな男の先生だ。結構モテそうなタイプ。でも穏やかな顔をして、眼から火が出そうなお仕置きを私たちにする。いえ、とくに私に。
 その日もU先生に指名された私は、前の黒板に宿題の答えを書く羽目になった。初めから「宿題忘れました。ごめんなさい」って言えばよかった。私のチョークは黒板の真ん中で止まってしまった。
「もういい、N子。先生にはよくわかってるんだ」
 私は今日は、教卓の横のところに両手をつかされた。チラッと横目で教室の方を見やると、みんなの視線が私の方に集まっているのを感じ、慌てて前を向き直した。恥ずかしくて顔が熱くなった。U先生の手にはこの間のあの平たい板、東急ハンズにでも売っていそうなやつ。今日もケツバンだ。バシッ!
「痛っ!」
 私が唇を噛みながらそう言って席に戻ろうとすると、U先生の声が背中から聞こえた。
「お前、少し慣れたな。この間は泣きそうな顔してたぞ」
「そうですか?」
 私はU先生に背中を向けたまま、精いっぱい強がってみせた。
「いいことだ」
 U先生が独り言のように、でも大きな声で言う。U先生って、厳しいけどそんなイヤな先生でもないな。私はなぜかそう思った。

 5月6日、連休明け。今日は恐怖の体育も数学もある。といっても、お仕置きの恐怖はもう体育と数学だけではなかった。私はどの先生からも、クラスで一番甘ったれた生徒とみなされていた。音楽の先生には太鼓のバチでお尻を叩かれるし、理科の先生は定規だし。どの授業でも決まって指名されて、なんで私ばっかり当てるのよってふてくされていると、またお仕置きされてしまう。
 でもやっぱ担任のU先生とK先生が元凶に違いない。きっと職員室でまた私のこと、子供だとか甘ったれだとか他の先生に言ってるんだわ。そんな被害妄想にもなった。
 案の定、体育の授業では私語を咎められて、私とS子は卓球のラケットでお尻をひっぱたかれた。バスケットボールをネットに入れて、それでひっぱたかれることもある。そのお仕置きの光景を、少し離れた場所から男子が見ていたり。
 でもK先生のお仕置きは、筋が通っていた。叱られる理由はいつもあった。K先生は自らの10代の頃のお仕置き体験を、私たちにときどき話した。職員室のお仕置きでは靴べらがお尻で折れて、先の方が飛んでいったこともある、そう言うとK先生は屈託なく笑った。私はK先生も嫌いじゃなかった。


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