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「瓦礫のジェネレーション」
【その他 官能小説】

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「瓦礫のジェネレーション」-13

予測できていたこととはいえ、浩一の言葉は思った以上に美咲を傷つけていた。家に帰る気にはなれなかった美咲は、投げやりな気分を抱えたまま、深夜営業のファミレスでひとり夜明かしをしていた。そこへ街の不良グループの男が声をかけた。半ば自棄になっていた美咲はその男に連れられてグループのたまり場となっている雑居ビルの一室に連れ込まれたのだった。そこには黒ずくめの服装の数人の男がいた。
美咲をつれて来た男は、奥のソファにいる男に声をかけた。開いた両脚の間に女性が跪き、顔を股間に埋めて頭を上下に動かしている。
「リーダー、今日はいいのを捕まえてきたんスけど、お楽しみ中っすか?俺、先にいただいちゃっていいっすよね?」
そう言うと男は、美咲の背を押して奥の部屋へ行こうとした。
リーダーと呼ばれた男は横柄にあごをしゃくってOKの合図を送り、ちらっと美咲のほうを一瞥した。
「ちょっとまて。……美咲、か?」
改めて顔を上げて美咲を見た男は、女の顔を確認して驚きの声をあげた。股間にうずくまる女を振払って立ち上がると、美咲と男との間に割って入る。
「美咲だよな、塩飽のおじさんとこの。……全然雰囲気違うんで気がつかなかったよ。陸だよ、輿石陸。わかるだろ?」
うって変わった優しい声で親し気に美咲に話し掛けると、周りの連中に声をかけた。
「こいつは俺の幼馴染みだから、手を出すんじゃねぇぞ」
美咲を連れてきた男はしぶしぶ引き下がり、他のメンバーと一緒に部屋の隅へ行ってビールを飲み始めた。
「何やってるんだこんなところで……って俺の手下が連れてきちゃったのか。ここじゃ落ち着かないからあっちの部屋へ行こう」
陸は投げやりな態度をとっている美咲を促して隣の部屋へ移動した。

隣は、陸が普段寝泊まりするのに使っている部屋だった。大きなベッドが置かれていて、大画面テレビとビデオデッキ、大量のビデオテープ、ビデオカメラにオーディオ機器などがぎっしりと置かれ、床にはいかがわしい写真集が散乱していた。その部屋が普段何に使われているのかは一目瞭然だった。
「悪いな、こんなところで。コーラでいいか?」
冷蔵庫からコーラを出してきて美咲に手渡すと、自分はビールをひとくちあおった。
「俺がこういう暮ししてるのは、噂には聞いてただろ?ここは俺のアジトで、あいつらは俺の手下みたいなもん。それよりも美咲、どうしたんだよ。何かあったのか?」
美咲は無表情で押し黙ったまま突っ立っている。
「とにかくまあ坐れよ」
陸は美咲の肩を押してベッドに腰をおろさせようとしたその時、美咲が初めて口を開いた。
「……いいわよ」
その声には何の感情も隠っていなかった。ベッドに腰掛けるとそのまま投げやりな態度で上半身を仰向けに倒した。
「ちょ、ちょっと待てよ、『いいわよ』ってのはなんだよ」
「いいわよ、好きにしてくれれば。どうせ男なんてみんなあいつらと同じ」
美咲の言葉にショックを受け、陸はうろたえて美咲の肩を掴み引き起こした。
「『あいつら』?あいつらって誰だ?美咲、お前本当に何かあったのか?」
美咲は黙って答えない。陸はまたビールを一口飲むと、美咲のとなりに腰を下ろした。

「美咲が話をしたくないのならそれでもいい。俺はいつもさっき見た通りのことをしてるわけだし、今だってつれてこられたのが美咲でなかったら、この部屋連れ込んで押し倒して好き放題やってる筈だから、美咲が俺を信用できないっていうのもわかる。だけど、そんな生きてるんだか死んでるんだかわからないような顔されたら、心配だってするし、手なんか出せるわけないだろ。お前は俺の……妹みたいなもんなんだから。だから、頼むから俺の前でそんな投げやりにならないでくれよ」
陸はそう言うと、心配そうな顔で美咲の目を覗き込んだ。
美咲はほんの少しだけ安心したのか、コーラの缶をあけてほんの少し口をつけた。しかし相変わらず話し始める気配はない。陸は諦めたのか、立ち上がって部屋の奥へ行き、衣裳ケースからえんじ色のジャージを出すとベッドに置いた。
「帰りたくないんならここにいてもいいよ。寝る時はそれに着替えるといい。俺は連中とあっちで寝るし、心配なら中から鍵をかけろよ」
立ち上がって部屋を出て行く陸を、美咲はうつろな目で見送る。
「あ、あと、明日は俺等早くから出かけるから、誰もいなくなるけど、帰るんなら別に鍵とかはいいから。じゃあおやすみ。ほんと、ヤケ起こすなよ」


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