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……タイッ!?
【学園物 官能小説】

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……タイッ!? 第四話「暴きタイッ!?」-8

**――**

 その日は風の強い日だった。
 雲も多く、気温も若干低く夏の日にしては過ごしやすかった。
 キャプテンの久恵は部員達に校庭で練習するように言うと、職員室に用事があると
言い残し行ってしまう。
 彼女がいなくなると同時に、皆勝手に活動を始めだす。
 男子部員は水着片手にプールに向かい、二年の女子も用具を並べて練習する素振り
を見せるだけ。

「皆だれてるね……」

 タオルを片手にクーラーボックスを持ち込む紀夫は、そのまとまりの無い練習内容
にため息をつく。

「しょうがないよ。夏ばて気味だし」
 はつらつとした笑顔で夏ばてを主張する理恵には頷きがたいが、連日の暑さには紀
夫も疲れ気味。
 しかし、そんな中でも稔と優だけはトラックの外周を走っている。

「市川君に樋口さん、真面目だね」
「真面目? ふふふ、かもね〜」

 理恵はどこかにやついた様子で言うが、すくなくとも今こうして練習一つしようと
しない彼女よりもそう見えるのだが?

「いいなあ、二人とも……」

 その答えはピンクのジャージを腰に巻いた名前だけの顧問が出してくれる。

「ですよね。幼馴染で同じ学校、同じ部活に家も近い。美人美男子ってほどじゃない
けど、そこそこいけてる二人だもん。ああいう青春を味わってみたいわ」

 相槌を打つのは当然理恵。つまり二人はそういう関係だと。

「そうなんだ……」

 軽いショックを受けるのはなにも二人の青春を羨ましがったからではない。
 稔の素行をそれなりに知っていたから。

 ――樋口さんは知ってるのかな? 彼が里美さんのこと……? あれ? そういえ
ば市川君はいなかった? よく覚えてないかも?

 数ヶ月前に溯る里美のレイプ未遂。あのとき聞こえてきた声は悟と二人。おそらく
は今プールで汗を流しているのだろう和也と真吾。和彦は里美を相手にしなくても愛
理がいる。

「ん? あれ、部長は? まだ戻って来てない?」

 合宿メンバーを除けば一番真面目に練習をしている彼女がどこで油を売っているの
だろうか。

「俺、ちょっと見てくる」
 綾のように倒れていても困ると、紀夫は一人駆け出していた。


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