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いまどきの…
【青春 恋愛小説】

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いまどきの…-3

車に乗っているとき先生が話しかけてきた
「ねぇ」
「なんですか先生?」
「君はいつも何を考えてるの?」
「何も考えてないですよ。まあ進路をどうするかぐらいですかねぇ」
俺は笑いながら答えた
「嘘ついてるね」
俺はすこし焦ったが平成を装いなぜといった
先生がいった
「たまに夏樹くんから話を聞かせてもらってるんだけど、鉄人君には青春どころか希望すらないといってたわよ」
なんかあいつ誇大妄想してるような
つうか先生も真に受けるかよ普通
「それで俺が満足すればいいんじゃないですかねぇ。よくいえば個性的ってことですよ」
俺はそう答えた
先生は不満そうな顔を浮かべたが、すぐ普段通りの表情にもどっていた

車を走らせて大分たつ
どれぐらい走っただろうか
都心ではなく田舎の川の近くにきていた
夕暮れ時で夕日が美しい
その夕日を先生と見るとは思わなかった
先生の長い髪が茜色に染められ美しい
それをみて俺はかつてない感情が芽生え始めていた
このときはわからなかったが数分後にそれは確信に変わった
「ねぇ、鉄人君」
「なんですか?」
「常識とか普通ってなんだと思う?」
「また難解な質問ですねぇ」
「君なら答えられるんだと思うんだけど」
「過大評価ですよ」
「あなたこそ過小評価じゃない?」
「はい?」
「あなたは覚えていないかもしれないけどね、私があの学校に赴任したてのとき教頭先生から毎日のようにセクハラをうけてノイローゼになってたときにねあなたが助けてくれたじゃない」
「そんなことありましたねぇ」
煙草をすいながら俺は答えた
あのときはたしか俺が授業をさぼってたときだ
陽子先生はスタイル、顔、性格、どれをとってパーフェクトに近かった
それを私欲にまみれた教頭が指導の一貫といってセクハラしてたんだっけ
それでたまたま俺がそれを見付けたんだ
そのときなにか心の奥底で燃えるような物をかんじて気付いてたら教頭を殴ってたんだっけ
先生が言う
「いまどきあんな事する高校生なんていないわよ。君には常識ってものがないのね」
先生がわらっている
「常識っていうのは昔の人間が勝手に決めた妄想や思想であって、はっきりいえばいま生きてる人には関係ないものだと思いますね。ただそれで今の社会がなりっているということも否定できないですけどね」
俺は熱弁気味にいった「じゃあ教師が同じ学校のしかも生徒を好きになっても構わないということかしら?」
「まあそういうことで…!?」
先生が俺を抱き寄せキスをした
時間が長く感じる
でも俺はなにも出来なかった
ただ人生経験とかそんなんじゃなくて本当になにも考えられなくなっていた
「好きです。付き合ってください」
先生からの告白
理性があれば夏樹に申し訳ないと考えていただろう
しかし今の俺にはそんな余裕はない
俺も先生のことが好きだったから
俺はよろこんでと返事をした
それから日が沈むまで夕日をみていた

日がくれてから先生の車で自宅に送ってもらった

いま人生で一番満たされている

その確信がある

―翌日
俺はまた授業をサボり陽子先生とはなしていた

そういえば二人きりのときは名前で呼ぶようにしたんだっけ

いつもの他愛のない会話がはずむ

人生まだ捨てたものじゃないなと思った

Fin…


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