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ラブベイビー
【コメディ 恋愛小説】

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ラブホーム-枕--1

ふー。有意義な一日だった。

「今日は楽しかったねぇ、あっく」

あれ?

「ちゅるちゅる美味しかったねぇ。あれね讃岐うどんて言うんだよ」

あれ?何だろう、この疎外感。
今回の幹事俺なんすけど。俺無しでは何も始まらなかったんだぞ。

「あ、そーだ。今度あっく用に少しヤワヤワなの作ってあげるね」

にも関わらず、お疲れとか運転ありがとうとかそういう一言も無し?
存在抹消の方向?

「温泉気持ち良かったねぇ。ホレ、アタシの肌もあっくみたい。ねぇ、スベスベ気持ちいいね〜、あっく」

完璧に抹消されてるー。いい具合に空気扱いされてんじゃん、俺。
父ちゃんは黙って荷物下ろししろってことか。

「あ、眠い?今日イーッパイ一人でアンヨしたもんねぇ。疲れたでしょ、お疲れ様」

あ、それ俺にも言って欲しかったー。
でも確かに今日はあっく一人で歩き回ってたからな。
成長の激しさに俺、涙してしまったもんな。
こうしてどんどんどんどん、あっく大きくなって…俺の手から離れて…ほ、ほんで…あー考えんのやめよ。
涙腺決壊しそうだ。

「うわーあっく汗掻きまくりじゃん。歩き回ってたもんねー。成長の激しさにアタシ涙しちゃったよ」

お前もかよ。

「お風呂入んなきゃねぇ、あっく」

俺も入りてぇよ。今すぐダイブしてぇよ。
汗臭くてかなわん。

「あ、あの白〜いお風呂気持ち良かったねぇ。明日、入浴剤買いに行こうかな。あっく一緒行こ」

女同士楽しそうだなぁ、おい。
男は一人寂しく荷物整理ってか。

「ほら、見て見て。あっく可愛いく撮れてるでしょ。やっぱケータイの画素数がいいからかなぁ」

いや、それ俺の腕じゃねぇの?
画素数の問題な訳?それも確かに否めないけどさぁ。

「いや、違うか」

そう、違うぞ。

「モデルがいいからか。あっくなら手振れしてても愛らしさ放出しまくりだもんね〜」

そこかー。でも、そこは認めざるを得ない。

「だから撮った奴あんなんだけど、こんな可愛いんだ。それ以外考えられない」

だからと言って俺を否定する必要無くね。
もはや、あんなん扱いじゃねぇか。
お前の視界の片隅でせっせと働いているこの俺を、あんなん呼ばわりすんな、アホ。

「デジカメの方も見てみよっか」

デジカメ?
…!
…やべぇ。
たった今、絶望的な事実に気付いてしまった。
そのデジカメに一枚も俺、写ってねぇじゃん。初の家族旅行に俺存在してねぇじゃん。
ひたすら撮る側だったのが運のつき…がーん。
…あまりのショックにがーんとか言っちゃったよ。
いや、実際は言ってないけどね!


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