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『Summer Night's Dream』
【青春 恋愛小説】

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『Summer Night's Dream』その1-9

実生活でこれだけ役に立たない情報もそうはないだろう。
ってゆうかろくに学校にも来てないヤツがどうやって調べているのか謎である。

つまり、何が言いたいのかというと、ステルス機並の索敵能力を備えた孝文をして、分かんないといわしめた本庄さくらとは、一体何者なのか。
そもそもそんな生徒が、本当にこの学校にいるのだろうか。
夏の暑苦しい夜が見せた、幻だったのではないだろうか。


そして、

ある一つの思考が頭をよぎる。


――資料室の幽霊。


……言葉にした途端、ゾッとした。超研部員のくせに、そんなことはないと真っ先に否定している自分がいた。
ただ、見間違いというのはあり得なくもない。あの日はバイト帰りで疲れていたし、連日連夜の取材攻勢でどこか意識が現実ばなれしていた。物的な証拠は学校に無断進入した、どっからどう見ても冴えない男子学生の写真が一枚。
これでは、誰かに話した所で、信じてはもらえないと思う。


事実、陽介自身、自分で自分を安心させる為、半ば強制的にその持論を納得させていた。

それでもう、終わっていたと思っていた。

再び、彼女に出会うまでは。


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