投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

手紙 〜side 恵〜
【理想の恋愛 恋愛小説】

手紙 〜side 恵〜の最初へ 手紙 〜side 恵〜 2 手紙 〜side 恵〜 4 手紙 〜side 恵〜の最後へ

手紙 〜side 恵〜-3

「グスッ」

「まーだ、泣いてんのかよ」

「らっでぇ〜がなじいんらもん…」


あれから、プリンを食って、ミュウが持ってきたDVDを観賞した。
内容はまぁ、よくある恋愛映画。
人の恋愛なんて見たって、ひとっつも面白くもねーのな。

ーまぁ、そう言いつつも、なんだかんだで一緒に観てる俺は、そうとうミュウに甘いと思う。



「ねー恵ちゃん」

「あ?」

「恵ちゃんはさ、もし、あたしが死んじゃったりしたら、悲しい?」


まだ、映画の余韻が残っているのか、うっすらとミュウの瞳は潤んでいて。


「…あのな、俺がそういうもしも話、嫌いなの知ってるだろ」

「そうだけどさ、恵ちゃんは考えたりしないの?」

「もしもなんて考えるだけ無駄だ」

「そうかなぁ」

「そんなことに囚われて、今を見失ったりしたら嫌だろ」

「うーん」

「だから、もしもでも、お前が死ぬとか、考えんな」

「…うん」



そんな話をしてから、少し経ったくらいだと思う。
いつものように、ミュウは俺の家に入り浸っていて。

その日は大切な講義のレポートに追われていて、あまり相手にはしてやれなかった。
俺がパソコンにむかう、その横にしゃがみ込んできては、やたらと話しかけてくる。

たしか、昔も、よくこんな風にミュウは、俺の席の横にしゃがみ込んでたっけな。
そんな事を思いながらも、必死にレポートをこなす。

最初は、やたらと俺にちょっかいを掛けてきていたミュウも、今ではすっかり大人しい。
…随分静かだな。

あいつ、俺のプリンを半分奪って満足しやがったな。
パソコンで疲れ切った目を押さえながら、ミュウを捜す為、立ち上がる。

さっきまで、恵ちゃん恵ちゃんと煩かったそいつは、案外簡単に見つかった。
起こさないように、細心の注意をはらって近寄る。
俺のベッドで丸まっているミュウの傍には、手帳と一つの紙。


手紙 〜side 恵〜の最初へ 手紙 〜side 恵〜 2 手紙 〜side 恵〜 4 手紙 〜side 恵〜の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前