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ふつう
【青春 恋愛小説】

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ふつう-第三話-5

「ふーっ…ふーっ…鷹丸くん…何してんの…」

「散歩。パツ子は?息上がってるけど」

「学校終わりに大海と公園で話し込んでさ…ふーっ…何となく本気でチャリ漕いで帰ってるとこ…」

「ふーん」

「鷹丸くんこそ散歩って…ふーっ…日課なの…?」

「バイト無い日は結構歩いてんだよね。俺さ、この夕方とも夜ともつかない半端な暗さが好きで」

「そう…ですか…」

「大丈夫?すげー疲れてんじゃん」

「まぁね…でも大丈夫よー…」

「休憩する?確かあっちに公園とかベンチあったはずだよね?」

「んー…あるね…はぁ…じゃあ少しだけ…」



チャリから降りて、歩いて3分くらい。
私の家のすぐ近くの、小さな公園だ。



「はい」

「えっ?」

「ジュース。あっこの自販で買った」

「えっ?」

「あげるって」

「あ、ありがとう…。鷹丸くんは?」

「俺はコーヒーを」

「…好きなんだねぇ」

「必需品だからね。もう呼吸落ち着いた?」

「お陰さまでねぇー」

「しかしなんであんなに必死に走ってたのさ。競輪みたいだったし」

「いやー…考え事してましてねぇ…。なんかそれで急に本気で走りたくなって」

「分かるわ、それ。俺もあるな。こう、吹っ切りたいんだよね」

「そうそう。あ…そういえばさ…鷹丸くん、なんでタトゥー入れたの?」



思い切って聞いてみた。



「あー…あれね」

「ファッションとしてじゃないよね?」

「まさか。そんなつもりで入れたりしないよ」

「何か意味があるの?あの漢字とか」

「んー、まぁ。座右の銘、かな。あれさ、中二の時に連れの連れの先輩として知り合った師匠みたいな人に入れてもらったんだ」

「師匠?」


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