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ふつう
【青春 恋愛小説】

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ふつう-第三話-3

通常ならば授業には参加させないはずだったが、校長から許可が出て、かつ本人と秋先生の熱意があったから許可をしたこと。
しかし鷹丸くんのタトゥーは年齢から言っても違法であるということ。
それをわきまえた上で、他の生徒らにはタトゥーという物をよく認識してほしいということ。
これを真似ようとなど、絶対にしないこと。
そして必要以上に他の学生らに口外しないこと。



その他にも色々言ってたけど、まぁ結果的に水泳に参加は出来るから良かったじゃん?
なんてことでもないのかな…。


話の最中、離れた位置で座っている鷹丸くんを観察してみた。
私だけでなく、全ての生徒が先生の話そっちのけで鷹丸くんを見ているのだけど。



左肩から肘まで、崩された漢字で「吹毛常磨」って書いてある。読めないけど…。
その周りに、植物の蔦のような物が。

反対側の右腕と、後ろの背中はここからは見えないけど、何か書いてあったはず。

胸の鳩尾の所に、同じ蔦のような物が円になっていて、その中に合掌している両手の絵。



漢字といいあの合掌の絵といい、どこか仏教的な雰囲気がする。



話は終わって、準備体操に入った。
しかし私の両目は今だ鷹丸くんの体に。


あっ、反対側が見えた。

右肩から肘まで同じ書体で“百尺竿頭身一歩”、そしてあの蔦。またしても読めない…。

背中には、蓮の花?
みたいな花の下から、あの蔦が根のように広がっている。


なんかもう…圧巻。
私なんかとは完全に違う世界の人なんだな…。

近くの大海を見てみたら、彼女は興奮気味に隣の女子と話しをして、鷹丸くんを見つめている。



水泳そのものは凄い楽しかった。
皆はしゃいでたし、鷹丸くんも楽しそうだったし、金松先生も普通に鷹丸くんに接してた。
でも、いまいち気は晴れないなぁ…。



授業が全部終わって、放課後になった。
今日は大海と帰りがてら近くの公園でジュース買ってお喋りすることに。


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