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2人だけの通学路
【フェチ/マニア 官能小説】

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2人だけの通学路-3

 中学生になった。そこではさらに厳しいお尻の体罰が私たちを待っていた。ケツバットと呼ばれる体罰が日常化しているうえに、私たち2人の小学生時代の行状は、生徒たちの口からほどなく先生たちに伝わった。そして私の母もミユキのお母さんの影響を受けてか、いまではすっかりお尻の体罰肯定派になった。1年の担任は40代の男の理科の先生だ。いかにも厳格そうで眼鏡をかけて恰幅がよく、腕っぷしも強そう。その先生はこう言った。
「君のお母さんも厳しいね。遠慮しないでビシビシしつけてやってください。でも女の子ですから、叩くときは顔ではなくて、お尻にしてあげてもらえますかって言われたよ。君は相当お母さんを困らせたな」
 早速、宣戦布告だ。私とミユキは防衛策を考えた。お尻の痛みを少しでも和らげるために、いつもスカートの下にブルマーをはくことにしたのだ。それでもケツバットに使われる道具は細い竹の棒や厚くて平たい板きれなので、小学校のお仕置きよりはるかに痛い。だいいち、お尻を叩かれる音からして大きくて廊下まで聞こえてしまうくらいだ。
 ミユキは相変わらず遅刻や忘れ物の常習犯でクラスの叱られ役になった。自然、私まで注目されてしまう。私とミユキは名字が似ているので、出席番号が隣同士、だから理科室でも席が隣になる。ミユキは授業中でも平気でしゃべりかけてくるし、返事を返せば2人でお仕置きを受けることになるのだ。まずミユキが、理科室の教卓の横のところに両手をついてお尻を突き出す。私もこれからあんな無様な格好させられるんだわ。私は目の前で、ミユキのお尻の真ん中に竹の棒が当たる瞬間をじっと見ていた。大きな音とともにお尻が前後に小さく揺れ、竹の棒が少し跳ね返る。恐怖で体が凍り付く。
「痛ぇー!」
 いつものように悪戯っ子のようなミユキのリアクション。顔をしかめてミユキが自分の席に戻っていく。自分もあの場所にすぐに立たなきゃいけない。
「ユリ、何してる! 早くそこに両手をつけよ!」
 いけない、早く教卓に両手をついてお仕置きの姿勢をとらないと。態度が悪いって度鳴られて、よけいに力を込めてひっぱたかれてしまう。先生が私の背後に回った。教室がまたシーンとなる。ピシッ! 突然、竹の棒がいやになるくらい正確に、私のお尻の真ん中に当たる。
「痛っ」
 私はなんとかやせ我慢しようとしたが、あまりの痛さに小声でつぶやいてしまった。うつむき加減でお尻に手の甲をそっと当て、私は自分の席に戻った。

 休み時間、男子がミユキを冷やかしていた。
「ミユキ、お前はほんと男だな。教室の前に出てくときだって、椅子は出しっぱなしでバタバタと。その点、ユリはちゃんと女の子らしく椅子を机の下にしまってから出てくよな」
 私の方に話振らないでよ。恥ずかしいじゃん。
「どうでもいいでしょ、すぐにもどってくるんだから」
「それに痛ぇ、痛ぇって大騒ぎして、悪ガキかよ。ユリを見習えって。ユリは小声で『痛っ』だもんな」
「ユリはやせ我慢してるだけなんだよ。ねえ、ユリ」
「う、うん。まあ」
 私は平静を装って生返事をした。お尻の火照りが伝わったかのように、冷たかった木の椅子の座面が熱くなっている。ミユキの椅子の座面もきっとこんなふうに熱くなっているに違いない。

 2年生になって担任をはずれてからも、理科の先生の私たちへのお仕置きは続いた。忘れ物をしても宿題を怠けても、ばれれば教室の前に呼ばれてお尻をひっぱたかれる。私とミユキは毎時間必ず何度も指名されるので、何か忘れていれば一発でばれる。教科書を読めと言われて違う箇所を読み始めてしまい、授業をちゃんと聞いていなかった罰としてお仕置きされることもあった。
 私はだんだん免疫ができてきた。もう叱られ役でいいや、ミユキのそばにいる限り目立っちゃうんだから仕方ない。2学期頃になると前ほどの抵抗感はなくなり、教室の前でも先生の方に向けて素直にお尻を突き出して立てるようになっていた。
 ところが、今度はミユキの方がおかしい。お尻ならいいじゃんって言い続けてたミユキが、何か恥ずかしそうな仕草や表情を見せることがある。もしかして、お年頃? そう、同じクラスに好きな男の子ができたのだ。


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