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2人だけの通学路
【フェチ/マニア 官能小説】

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2人だけの通学路-2

「ユリ、お母さんはほんと情けないわ」
 家に着くと、母は悲しい顔をして言う。
「ママ、ほんとごめんなさい。でも泥棒する気なんかじゃなくて、ほんの悪戯で、手がどこまで入るか2人で競争しようって」
「ママもその言い訳を信じたいわ。たとえそうでも、とても許されることではないわよ。さっきミユキちゃんのお母さんと電話で話しててね、2人とも同罪だから、あなたたち2人に同じお仕置きをすることに決めたわ」
 ミユキのお母さんと同じお仕置き? じゃあお尻叩きじゃん! でもしょうがないか。
「ユリ! そこの壁のところに両手をついて、お母さんにお尻を向けて立ちなさい!」
 母は決然と言い放った。こんな母を見るのは初めてだ。私は言われた通り壁に両手のひらをついて肘を伸ばすと、両足を少し開いて前屈みの姿勢をとった。少しでも従順な姿を見せて、母の怒りを和らげたかった。母は玄関から革の分厚いスリッパの片方を持ってきた。
「ユリ! 覚悟しなさい。いいわね」
 私は恐る恐る母の目をチラッと見て小さくうなずき、それから母の手にあるスリッパを見た。いまからこのスリッパの底が私のお尻に何発も、いや何十発も当たるんだ。私は覚悟を決めて壁の方に向き直った。ピシャッ! 初めて母にお尻を叩かれた。思ってたより痛いよ。ピシャッ! 息つく暇もなく2発目がきた。ピシャッ! お尻にどんどん痛みが積み重なっていくみたい。ピシャッ! 母は無言のまま一定の間隔で、私のショートパンツのお尻に水平にスリッパを打ちつけた。
 二十発ひっぱたかれたところで母は手を止めた。私も数を数えていたが、母も数えていたに違いない。これで終わりかしら。少し姿勢を崩そうとした瞬間にまた次の一打がきた。ピシャッ! 
「まだまだよ、ユリ。お仕置きは百発ずつってミユキのお母さんと約束したんだから」
 ピシャッ! やっぱりそんなに甘くなかったか。ピシャッ! もう最後まで耐えるしかない。だんだんお尻が痺れて熱くなってきて、一発毎の痛みには耐えられるようになった。ピシャッ! やっと終わった。私は火照ったお尻を両手のひらで覆いながら、崩れ落ちるようにその場にしゃがみ込んだ。
「どう? 少しは懲りた?」
 いつもの母の優しい口調に戻っていた。
「はい、ママ」
 私は少し甘えるように言った。
「これに懲りて、これからはいい子にするのよ」

 翌日、学校でミユキに会った。
「ユリもお母さんにやられたんだって? スリッパでお尻百叩き」
「そんな大きな声で言わないでよ」
 私は周りを見回した。ここは休み時間の廊下だ。私たちの会話に、すぐそばにいた女の子が振り向いた。ミユキのバカ! 聞かれちゃったじゃないよ。急にミユキは大事な内緒話をするように、私の耳元に小声でつぶやいた。
「目が回るほどひっぱたかれたでしょ。あたし、まだお尻がヒリヒリするよ」
「あたしもだよ」
 ミユキは左手で痛そうにお尻をさすっている。そんなジェスチャーしてたら、いくらヒソヒソ話してても会話の中身がバレちゃうよ、もう、ミユキは。

 この一件を機にして、先生や他の子の私を見る目が変わった。私たちの悪戯は知れ渡り、私はすっかりミユキの無二の悪友と見なされるようになったのだ。私たちは卒業するまで、授業中2人並んで教室の前の黒板に両手をつかされては、箒やバケツの蓋で先生によくお尻をひっぱたかれた。理由は授業中のおしゃべりとかで、何かにつけて私とミユキが続けて指名され、質問に答えられず先生の話をちゃんと聞いていなかったことがバレてもお仕置きだった。
「ミユキのお尻は相変わらずよく埃が出るわね。ユリのお尻はそんなでもないのに」
 私たち2人だけには先生は明らかに男の子扱いしていた。ミユキの方はそれでもあっけらかんとしていたが、私は恥ずかしいよ。


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