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憂と聖と過去と未来
【幼馴染 恋愛小説】

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憂と聖と過去と未来 5-11

「…そうか、じゃあここ座れよ。ご褒美に思いっきり消毒してやる」
「……へ?」
俺のテンションは異常に高かったのかもしれない。
さらりとそんなことを口走ると、憂の両肩を掴んで椅子に座らせた。
「ちょっと、自分でできるから!」
「いいよ、ついでだ」
なんだか楽しくなって、笑ってしまう。

やがて、憂も観念したのかおとなしくなった。

「……いったぁ」
「我慢我慢」
思いっきり消毒液を塗りたくってやる。

ふと思った。
やはり俺は、憂とこうやってばかをやっていたい。
こんなに憂といるときは笑顔になれるんだ。

なんだか、急に憂と一緒にいれない悲しみが込み上がってきた。

「……憂」
「なに?」
「…ごめんな。一緒にいられなくて」
消毒液の瓶を元の場所に戻しながら言った。
「…あたしも、あんな大きなこと言ってたくせに」
「…あたしと聖の関係は、絶対に崩させない…だったか?」
「うん」

憂も悲しそうな顔をしている。

なんだかかける言葉を見失ってしまった。

今は…どうしようもないんだ…


俺は一息吐いて、笑顔で言った。

「……憂」
「なに?」
「弁当、お前のほうがうまいぞ」

でも…これだけは言いたかったんだ。

「…うっ…ううっ…ひぐっ…」

当たり前じゃない、なんて言うと思っていたら泣き出す憂。

憂も…辛いんだな…

「泣くなよ」
憂の頭を軽く叩く。

抱きしめたい…憂を…

でもできなかった。


「…じゃあ俺、行くからな」
「…うん」
「あ、あと、クラス代表リレー、俺アンカーだから見とけよな」
俺がそう言うと、憂は笑顔になる。
正直、自信はないが憂に見てほしかった。
「うん!」

俺は憂の顔を見届けて、保健室を後にした。


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