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恋人に捧げる舞子の物語
【SM 官能小説】

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恋人に捧げる舞子の物語(驟雨編)(その1)-4

 …あっ…ああっ…

あなたは、薄い下着を透して伝わる男の唇の卑猥な粘着感に、これまで感じたことのない疼きを
覚えていた。あなたの胸元から漂う乳房の匂い、そして乱れたスリップの中の内腿のねっとりと
した体液…陰部の生あたたかさ…そのすべてを含んだ下着を男に嗅がれる恥辱の甘美な疼きに、
あなたは体のすべてを男に委ねようとしていた。

男はあなたの下着を剃刀でゆっくり切り裂きながら剥ぎ取る。ぷるりと桜色の乳首が溢れ、裂か
れたショーツがあなたの膝に絡む…露わになった噎せるような漆黒のあなたの繊毛に冷気が沁み
わたる。
腰を低くした男の鼻先があなたの陰部に触れ、黒い茂みに覆われた性器の奥深くを嗅ぎ取られる。


いや、あなたは男にそうされることを望んでいたのだ。


あの頃、恋人と肌を重ねるときに湧き上がる焦燥に似たもの…彼の妻への嫉妬に惑いながら、体
の中に無意識に芽生えた飢えと渇き…そんな心を噛み殺し、遠くへ追いやらなければならない息
苦しさがあなたの中に漂っていた。
あなたは今でも恋人が他の女を抱いていることを脳裏に思い描くとき、あなたは自分の体を激し
く苛みたくなる…誰かに縛りつけられ、強く鞭を打たれ、子宮の底まで深く蝋燭の焔でじりじり
と炙られたいと思うことがあるのだ。

シャツを脱いだ男は、色素が斑な肌をもち、あばら骨が浮いた貧相な体をしていた。そして、あ
の黒い革鞭を手に取った…。

「…鞭が似合いそうないい体をしているぜ…」


 ビシッ… あうっー…

あなたの白い艶やかな尻に、男は鞭を振り下ろす。肌を打つ鈍い音が部屋に響く…。灯りの中で
妖しく尻肉が揺れ、あなたの体が弓のように撥ね、白い喉咽がのけ反る。澱んだ空気の中で湿り
気を帯びた鞭ほど、女の肌によく吸いつくのだ。

「…その体を苛めて欲しいんだろ…」


 ビシリッ… ビシッー


荒れた風の中で、樹木の小枝がしなるように鞭がうねり、澱んだ闇を切り裂き、あなたの蒼い背
中を打つ…。


「ひいっー、ううっ…」


滑らかな曲線を描くあなたの脇腹やそのむっちりとした太腿に鞭が絡みつく。
痛みを噛みしめるようにくねるあなたの肉体が、その痛みの余韻に酔いしれる一瞬のときを確か
めたかと思うと、男は容赦なく鞭を振り下ろす。鞭は、あなたの艶やかな括れた腰に巻きつき、
桜色の乳首を撥ね上げ、靡いた陰毛を削ぎ、その秘裂に襲いかかる…。

「もっと、いい声で鳴くんだ…」

男は笑みを湛え、あなたの白い肌に蚯蚓腫れの赤い条痕を描くことを楽しんでいるのだ。

 ビシッー! あうっー…


その鉛のような重い鞭の痛みに、あなたは何を考えていたのだろうか…。

あなたは、その鞭を受ける哀れみに充ちた自分自身の被虐の姿に酔いしれていた。鞭が空を切る
瞬間に、無抵抗に厳しく拘束された肉体に走る痛みに歯を噛み鳴らしながら耐える…。
その苦痛にもがき、重苦しい痛みにのたうつあなたの歪んだ顔の中に、感じすぎるほどの性の
肉欲がどくどくと脈を打つ…その快感の中にこそ、あなたのほんとうの姿があることを知ってい
るのは、あなた自身なのだ。


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