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高校生の心理学
【フェチ/マニア 官能小説】

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高校生の心理学-3

 私には2つ年下の中学生の妹がいる。妹もときどき母にお尻を叩かれることもあるが、私と違って要領がよくほとんどお説教で逃げ切っている。妹は言うのだ。
「お姉ちゃん、なぜママに叱られてお尻を叩かれているか、その理由がちゃんとわかってないでしょ。自分のした何がどういけないのか、ちゃんとママに説明できないでしょ。善悪の判断ができてなぜ悪いことか理解できる子になったら、体罰は卒業なんだって」
「じゃあナツミの方が先に卒業なの?」
「あたしも同じこと繰り返して、まだ子どもだってママに1週間前にお仕置きされたばっかりだけどさ。でも高校生だからとか、高校生なのにとかはお仕置き逃げる理由にはならないよ。親の躾に従うのは子どもの義務だよ」
 妹はこんな調子だった。だからあんな厳しい母でも、お尻を叩かれなくて済むようにうまく振る舞えるのだろう。でもやっぱり姉には姉という変なプライドがある。妹の前で叱られるのは悔しいし。それでついふて腐れたポーズをとったり、逃げ出そうとしたり、口答えしてしまう。結局は妹の目の前で、母の方にお尻を突き出す羽目になる。最後はお尻がジンジンするほどひっぱたかれて、泣きながら母にゴメンナサイをするのが常だった。

 私は大学の心理学科に進んだ。そこで児童虐待と情緒障害について学ぶことになった。大人が子どもに手を上げる。そのとき、普通子どもは3つの思いを抱くという。痛い、悲しい、なぜだ、と。まず物理的な反応があり、それが感情となり、最後に理性が働く。なぜ自分は叩かれなければいけないのか、と。この3つ目の理性が前の2つとうまくつながれば、それは躾として機能する。それがつながらないときが虐待であり、深刻な情緒障害をもたらすのだという。ただひたすらに痛くて悲しいのだ。

 ある日、先生がこんな話をしてくれた。
「ある小さい子が、オムツの上からお尻を叩かれてもあまり痛くないので、全く効果がなかった。それである日、オムツをずりおろして直接お尻を叩いたところ、効果てきめん、言うことを聞くようになったという話がある。きっと痛くてびっくりしたんだね」
 私は自分の高校時代のことを言われているようで、妙に恥ずかしくなった。下着は下ろされなかったけど、抵抗してスカートをめくられてお尻を叩かれたことがあるからだ。確かにそのお仕置きの後、1週間くらいは悪さをしなかった。
 先生はこんなことも言った。
「あと幼稚園の子が、ちょっと小突かれてもへとも思わないような子が、友達の目の前でお尻を叩かれて、恥ずかしいと感じて効果があったそうだ。形だけのお仕置きには何の効果もない」
 それもあたしのことじゃん。もう、先生ったら。
「君も小さい頃は、お母さんにお尻を叩かれたりしたんじゃないか?」
「ええ、まあ。……でもどうして他の場所じゃなくて、お尻じゃなくちゃいけないんですか? お尻がいちばん安全だから?」
「それはもちろんだけど、猿山の猿の習性を知ってるか? 猿は降参して相手に服従するときには、必ず相手にお尻を向けるんだよ。お尻を向けるということは、いまから親や先生に全面的に服従しますという意思表示なんだ」
「ああ、なんかわかる気します。親にお尻を向けるの、すごくイヤでした」
「お尻を向けさせることで、親と子どもの絶対的な力関係を認識させるわけだね。本能的に」



 母の私のお尻への体罰は、高校を卒業するまで続いた。世間的にはかなり変わった親子関係だろう。でも母の体罰は私の性格とか考えた上でのことだし、筋も通っていて公平だったと私は思う。いつまでたっても聞き分けのない子どもみたいな私にちゃんと向き合って叱ってくれ、愛情を注いでくれたことを感謝している。いっぱい悪さして母をさんざん困らせたけど、叩かれたお尻の数の痛みだけ、いまは体が反省しているような気がする。


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