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3人家族
【フェチ/マニア 官能小説】

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3人家族-2

 中学校に上がるとき、私はある進学塾に通うように父から言われた。事実上の命令だ。その塾は神戸・明石地区を本拠に全国展開する、小学校から高校までの一貫教育をモットーとする歴史あるスパルタ塾だ。じつは母がここの塾生だった。母の時代のスパルタぶりは凄まじかったらしい。宿題を忘れたり、毎日行われる漢字のテストで満点が取れないとその点数の分だけ、さらに学校の中間・期末テストの点数が85点未満だとやはりその点数分、「ケツバン」というお仕置きが待っている。教室の前の黒板に両手をつかされて、幅広の分厚い板でお尻を叩かれるのだ。それを聞いた時、私は背筋が凍る思いがした。
「U子、大丈夫よ。それは昔の話。前に言ったように、ママはこれから勤めに出るでしょ。あなたの勉強まで見てられないのよ。U子だって、自分の夢を叶えるためには必要なことだってわかるわよね」
「うん」
 私はうんとしか答えようがなかった。




 私は中学生になり、噂のスパルタ塾の授業も始まった。休み時間とかは私の中学校と何ら変わらない和気藹々とした雰囲気だった。ところが授業が始まると、その雰囲気は一変する。シーンと静まりかえった教室には、講師の声と板書の音以外は何一つ聞こえない。とても私語を交わしたりよそ見をしたりできる雰囲気ではない。
 この塾には指導の柱が2つあった。「宿題点検」と「確認考査」といわれるものだった。「宿題点検」とは生徒一人一人の宿題の解答をチェックし指導するもの、「確認考査」とは一週間に一度生徒の理解度を測るドリルのようなものだ。じつはこのできが悪い生徒には、恐怖のお仕置きが待っていたのである。最初の確認考査で合格点を取れなかった生徒が私を含めて4人、教室の前に並ばされた。私は教室の右端に立っていた。これから一人ずつ、講師が立っている左端のあたりの黒板の桟に両手をつかされて、プラスチックのバットでお尻を叩かれるのだ。ママに騙されたよ、今でもお仕置きあるじゃんよ! 
 男の子2人が叩かれて自分の席に戻った後、私の前の3人目は女の子だった。その子はなんと、黒板に両手をつくことを拒否した。講師は憮然とした表情で言った。
「Y子、授業が終わったら教育指導室へ来い!」
 そして最後の私の番になった。一番端に並ばなきゃよかったよ。私だけ教室中の視線一身に浴びて、これからお尻叩かれるの? 私は頭に血が上ったような放心状態、心臓ドキドキのまま黒板の桟に両手をついた。いつ叩かれるんだろう。素振りでもしてるのかしら? その時、バシッ!という音がして講師のフルスイングのバットが私のお尻を捕らえた。痛っ! 思わず黒板に両手をつき直して深呼吸。さてこれから自分の席に戻るためには振り向かなきゃならない。その時、みんなと視線が合うな。私は覚悟を決めた。努めて平常心を装おうとしたが、顔が紅潮しているのがわかった。
 ともかく自分の席にまでたどり着いて座った。お尻がまだホカホカしている。教室もなんかざわついたままだ。みんなにいつまでも見られているような自意識を必死に振り払い、私は授業に集中しようとした。その時、私はY子の方を見た。彼女だけが一人暗かった。

 放課後、Y子は教育指導室に呼ばれた。私は一人残ってY子を待った。教室の前で同じ一列に並ばされた仲だ。なんか気になってほっとけない。10分ほどしてY子が戻ってきた。涙ぐんでいる。
「大丈夫? 結構長かったね」
「うん。U子ちゃん、あたし、ずっと叩かれちゃったよ。態度が悪いって叱られて」
 Y子はお尻に両手のひらを当てるしぐさをしながらそう言った。


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