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鎮魂
【SM 官能小説】

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鎮魂(その3)-1

…地獄の底の凍てついた沼に、氷漬けにされた罪人たち…

そこでは、悪魔の大王が罪人たちの性器を切り裂き、淫毛を毟る…女たちの熟れた卵巣を呑み込
み、男たちの肉棒と睾丸を噛み砕くのだ…。



あの南欧の詩人の声が闇の中から響いてきたときに、私は再び意識を取り戻した。
拷問部屋の中は生あたたかい澱んだ異臭が漂っていた。そうだった…あの女の陰惨な拷問の光景
に耐えられず、私は気を失ったのだ。

そして今、私は荒削りの拷問台の上で男たちに青白い裸体を晒し、磔にされたように伸びきった
手首と足首を拷問台の上端と下端に革枷で固定されていた。私は、これからこの男たちが何をし
ようとしているのか、そのことが脳裏を横切ると体内の血が逆流するような淫靡な快感に襲われ
るのだった。



 あの女は、どうしたのだろう…。


あの壁から女は消えていた。どこかに連れて行かれたのだろうか…。あの女が縛られていた場所
には何もなかったのだ。あの拷問によって、陰部を裂かれ、灼かれた女が床に滴り落とした血の
跡さえなかった…。


 一人の修道士が何かを合図した…


拷問台の頭の上部でゆっくりと煤けた木製のローラーが不気味な軋み音をあげ、回り始める…。
私の手首の枷に繋がれた縄を巻き上げ始めたのだ。荒縄が少しずつ腕を引っ張り始める。私の細
い手首に手枷が強く喰い込む…しだいに脚が伸びきり、私のわき腹が捩れるように肌が引っ張ら
れる。

それは、ラックと呼ばれる伸張拷問台だったのだ…

体を引き伸ばすことによって苦痛を与える中世の拷問なのだ。しだいに頭の上部で腕が伸びきり、
内腿の肌が張りつめる…。


 …ううっ…


体全体が引っ張られ、腕と脚の関節に鋭い苦痛を感じ始める。やがて、じわりじわりとその胴体
の肉を裂かれるような鈍痛が腹部に伝わってくる…。それは鋭い刃物で体をふたつに裂かれるよ
うな苦痛にしだいに変わっていく…。



 ぎり…ぎりっ…


 …ああっ…あっ… 私はその引き裂かれる恐怖に、咽喉の奥から迸るような悲鳴をあげる。


男たちが私に何かを告げていた。そして男は鋭く尖った長い針を取り出した。そうなのだ…私の
体にはまだ魔女の刻印が見つかっていなかった。その刻印は、肌にある斑点に針を刺したとき、
痛みを感じない斑点こそ隠された魔女の刻印とされる。


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