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無味乾燥
【ショートショート その他小説】

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ノスタルジー・アンゴワス-3

『昼間(ちゅうかん)アルゴス』

 太陽が照りつける。僕は制服を着たまま、俯いたまま歩いていた。もう涙さえ枯れはてて、泣きたくても泣けない。そんな状況が先刻からずっと続いていた。おじさんの葬式の最中思わず外に出てきたのだ。

当時まだ今のような画質の綺麗で、大容量ではないゲームが普及していた時代。まだ子供だった僕はゲーム相手に格闘していた。そこに――すでに40代前半だった――おじさんがきて、アドバイスをくれる。ときにはゲームソフトを持ってきてくれたり、一緒にゲームで遊んだり……。年齢(とし)の離れた友人のようになっていた。

それから何年が過ぎようとも遊びに来てくれたし、親とともに遊びに遠くのおじさんの家に行ったことを覚えている。高校生にもなると、中学と違った雰囲気で熱心な部活や十五教科近くあったテストで会う機会はどんどん減っていった。

そんな高校のある時、そのおじさんが癌で入院していると聞いた。だから、足繁く病院に通った。でも、末期だったらしい。徐々にやつれていくのが目に見えていった。

とうとうその日がきた。ちょうど部活が休みだった。だが、見舞いに行こうとしていたが、突然別の用事が入ってしまいいけなかった。そして、その夜おじさんは死んだ。

僕は後悔した。あの時見舞いに行くべきだった、と……。何度も何度も後悔した。しかし、もうおじさんは帰ってこない……。

End


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