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エリザベス・悲劇の人形たち
【ファンタジー その他小説】

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エリザベス・悲劇の人形たちV-4

「ゴメンナサイ、ゴメンナサイ。ウルサクテ、目ガ覚メチャッタノネ。
 ゴメンナサイ」

「ミャー…ミャー…」

 キディの目が虚ろだ。

 頭をコクりコクリと動かす。

「サァ、ママト、一緒二、部屋二帰リマショウ」

 部屋に戻って行くエリザベス。

「エリザベス、待ちなさいッ!」

 グロリアスが呼び止めるけど、全く無視。

「エリザベスッ!!」

 尚もカッとなったグロリアスはエリザベスに向かった手をかざした。

 金縛りに遭ったように、エリザベスの体が動かなくなった。

 次の瞬間!

 物凄い力に引っ張られたかのように、エリザベスは後ろへ弾き飛ばされた!

 テーブルにぶつかって乗り越え、冷蔵庫に体の背中を打ち付けた。

 そのまま、床に転がってしまったエリザベス。

 弾みでキディが懐から飛び出して、床に転げ回ってしまう。


 七転八倒しながら、キディは泣く泣く!

 更に手をかざしたグロリアス。

 エリザベスは横たわったまま宙を浮き、そのままグルグル激しく回転!

「ウアァァァーッ!!」

 うめき声を発するエリザベス。

 ビリビリビリビリ!

 寝間着が破れて、エリザベスは真っ裸に!

 下半身から糞尿が辺りに飛び散る!

 ピタッと制止した時点で、床に強く落下!

 又更に手をかざすと、エリザベスの体は垂直に立った。

 金縛りの状態で、身動き出来ない。


 目は虚ろだったが、グロリアスに水をかけられて正気に戻った。

 目をパチクリさせ、震えながらグロリアスを見つめる。

「私ヲ、壊サナイデ」

 泣きそうな弱々しいエリザベスに対し、グロリアスは一喝した。

「人間を、ナメるんじゃないわよォッ!!」

「ゴメンナサイ、ゴメンナサイ」

 ぐすんぐすんと泣き始める。

 グロリアスは呆れ顔。

「デカい口を叩いた割には案外、臆病なのネェ」

「ゴメンナサイ、ゴメンナサイ」

 涙を流しながら、エリザベスは必死に謝る。


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