投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

未完成恋愛シンドローム
【同性愛♂ 官能小説】

未完成恋愛シンドロームの最初へ 未完成恋愛シンドローム 87 未完成恋愛シンドローム 89 未完成恋愛シンドロームの最後へ

未完成恋愛シンドローム - 希望的観測 --8

―パコーン
「ん?」
―なんの音?
辺りを見回す。
コタローも音に気付いたらしく、キョロキョロしている。
―パコーン
また聞こえた。
「中?」
コタローの声に、黙って頷く。
―あれ?
公園の出入り口に、見覚えのある自転車が止まっていた。
「もしかして」
呟き、そのまま公園の中へ入っていく。
「ん?あ、イヴ」
慌てたようなコタローの声。
オレの予想が正しければ―
―パコーン
「カイト」
「お?」
公園の中では、予想通りカイトが壁に向かってボールを投げていた。
「今帰り?」
戻ってきたボールを手の中で遊ばせながら、カイトが聞いてくる。
「ん。カイトは?」
「さっき帰ってきてんけど、誰もおらんかったから遊んでた」
にっ、と笑いながら答えるカイト。
「なんや、カイトか」
後ろから声が聞こえた。
「ああ。コタローに送って貰ったん?」
「別に送ってくれとかは言ってないねんけどな」
「送り狼?」
「ちゃう」
「?」
笑いながら言うカイトと、それに返答するコタロー。
―相変わらず、仲良いんか悪いんか判らんなこいつら・・・。
「帰ってからメシ作んねやろ?」
「ん?うん」
今度はオレに向かって言ったらしいカイトに、返事を返す。
「晩飯なにー?」
・・・・。
―やべ、考えてなかった。
・・・あ。
「クリームシチューかな。牛乳余ってたし」
それに簡単、とは口に出さなかった。
オレもたまには楽したいし。
「イヴ特製のクリームシチューね」
後ろでボソッとコタローが呟く。
「・・・・。あ」
―バキッ。
「痛っ!」
―ったく・・。
「?」
なんでオレがコタローを蹴ったのか判らないらしく(そもそも聞こえてなかったのか?)カイトが不思議そうな顔で見ている。
「気にすんな」
「別にしてへんけど」
―まぁ、よく蹴ったりしてるからな、オレ。

「まだしばらくいるわー」
なんだかんだと喋った後、カイトがそう言った。
「1時間くらいで帰ってこいよ」


こっちとしても、夕飯を作る時間もあるし、特に考えなしにそう返す。
「コタローは?」
カイトの言葉に、そういえばと思い返す。
「あんたもそろそろメシちゃうん?」
「ん?俺にもイヴ特製のクリームシチュー喰っでぇっ」
コタローの鳩尾にめり込んだパンチが、全部を言わせなかった。
「あんましイジメたったらかわいそうやでー」
ボールを手のひらの中で遊ばせながら言うカイト。
「全然思ってへんやろ」
「うん」
・・・・。
―まぁええわ。
「ほら、あんたもとっとと帰れ」
割とイイ感じのポイントに入ったのか、うずくまって呻いているコタローを足蹴にしながら帰宅を促す。
手出しすんなとは言ったけど、ぶっちゃけ家に入れたらなにするか判らないし、カイトの前で抱きつかれても困る。


未完成恋愛シンドロームの最初へ 未完成恋愛シンドローム 87 未完成恋愛シンドローム 89 未完成恋愛シンドロームの最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前