投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

エリザベス・悲劇の人形たち
【ファンタジー その他小説】

エリザベス・悲劇の人形たちの最初へ エリザベス・悲劇の人形たち 7 エリザベス・悲劇の人形たち 9 エリザベス・悲劇の人形たちの最後へ

エリザベス・悲劇の人形たちU-1

 あれから一年…

 30体の子供人形たちも、ハーレス邸での生活にすっかり馴染んでいた。

 優しいエリザベスママの愛に包まれながら、豊かで楽しい暮らしをしているのだ。


 今は歌の時間である。

 玩具のピアノを弾くエリザベスママを囲むように、輪になっている子供人形たち。

 隣同士、手をつなぐ態勢を取っている。

 ピアノの伴奏に合わせて、一斉に腕を前後に振りながら歌うのだ。

 歌う曲目は…

『優しいママ』
『素敵なママ』
『私たち、幸せ!』
『毎日を楽しく優雅に』『美味しいご馳走でお腹イッパイ』
『温かいお風呂』
『甘えっ子キディ』
『素敵なママ、おやすみなさい』

 更にその場で足踏みしながら『人形行進曲』も歌うのだ。

 エリザベスも、子供人形たちも、笑顔笑顔で歌を楽しんでいた。


「ただいまァ」

 検査の為、街の病院に行っていたマルセルが帰宅した。

「お邪魔しまーす」

 妹のグロリアスも一緒だ。

 年齢は姉が45歳で、妹が38歳の7つ違い。

 おっとり屋のマルセルとは正反対に、グロリアスはシッカリ者。

 悪く言えば、やや性格がキツいって事だろう。

 更に…

 姉との違いは、超能力が使えるって事だろう。

 透視とかヒーリングは出来ないが、物を動かす事は出来るのだ。

 人形たちの様子を見入るグロリアス。

 氷のような冷たい視線を送っている。

「怠け者、エリザベス」


エリザベス・悲劇の人形たちの最初へ エリザベス・悲劇の人形たち 7 エリザベス・悲劇の人形たち 9 エリザベス・悲劇の人形たちの最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前