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桜が咲く頃
【ファンタジー 恋愛小説】

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桜が咲く前-2

『すいませんでした!!』
男達が鈴に頭を下げる。

『…ぁぁ…』
鈴が一言そういうと、男達はあっというまに何処かへ消えて行った。

『悪かったねぇ。
でもあいつら、根はいいやつだから許してやって』
そう言って小春は団子を一皿すすめる。

『…ぁぁ…』
鈴はとりあえず、団子に手を伸ばしてみた。

『しっかし、矮助様が男好きだったとはねぇ。
いやはや、参った…』

鈴は手にした串を、皿の上にぼとりと落とす。

『え…?』

『え?って、違うの?
矮助様、アンタのことが好きなんでしょう?
アンタも、わざわざ女の子の格好してくるなんて、矮助様が好きだからなんでしょう?』

鈴は顔を赤くして、返答に詰まる。

『それとも、矮助様は友達だって言うの?
友達のために女装するなんて、よっぽどの友達思いか、アタシをバカにしてんのか…
どっちなの!?』
ずいっと顔を近付ける小春。

鈴は軽く後ろにのけぞり
『…女の格好なんて嫌だったけど、アイツには、いろいろ世話になったから…
気付けばいつも近くにいて、助けてくれて…
だから俺も、アイツの力になりたい、何かしてやりたいって、思って…』
うつ向く鈴。

小春は
『ふぅん』
と言うと顔を離し
『アタシをバカにしたわけじゃあ、なさそうね』
手を後ろにつき、足を伸ばす。
『そっかぁ、男好きかぁ…
そりゃあ、落ちないわぁ…
結構イケると思ったんだけどなぁ…』
と、ぶつぶつ言い出した。

(悪い、矮助…)
鈴はあえて自分の性別を訂正しようとはしなかった。

『ところで』
鈴はずっと疑問に思っていたことを口にする。
『あの男たちはなんなんだ?』

『あぁ、アタシの護衛』
小春は団子を一つ食べる。

『護衛…?
お前、自分の護衛に追われてたのか…?』

『追われてるフリをしてたの』

『何故?』

『ナンパするため』
小春はさらっと答える。

『…は?』
鈴は思わぬ回答についていけない。

小春は立ち上がり、手振りをつけながら説明する。
『可愛い女の子が男達に追われてる!
それを助けた男性。
二人の仲は急接近!!
男性は女の子の可愛いさに魅入り、二人は恋に落ちる…
ってわけ』
くるりと鈴の方を向き、にこっと笑う小春。


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