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コンビニ草紙
【理想の恋愛 恋愛小説】

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コンビニ草紙 第三話-1

第三話;再見
午後の企画会議に参加した後、サヤカの書いていたコラムをチェックして、
なんとか編集長のOKをもらい、校了となった。
会社を出るとすっかり暗くなっていた。
明日は休みなので、何となく気持ちが明るい。
今日もいるかな。
飲み会などがない場合は、帰りに総菜屋などで夕飯を買い帰宅する。
コンビニに行くのは夜中になってから。
何となく習慣になっていて、夜中にならないと行く気がしないのだ。
家に帰って部屋着に着替えてメイクを落とす。
疲れていると動作はゆっくりになるのに、時間が経つのは急激に早い気がする。
特に何をしてた訳でもないのに、時計を見ると随分時間が経っていた。
そろそろコンビニに行こうかと思い、コインケースを取ってパンツのポケットに入れる。
コンビニに入ると、いつも通りすぐ左に曲がる。
あの男がいないかどうか店内を見回したが、見当たらなかった。
今日はいないのか。
少しがっかりしているのが自分でもわかる。
別にコンビニに来れば会える訳じゃないんだけど。
そんな言い訳を考えながら、適当に目の前にあるファッション誌を手に取る。
「こんばんわー。」
背後から声がする。
振り返るとあの男が立っていた。
この前とは違うダークグリーンの着物で、髪は相変らずくしゃくしゃだ。
「こ、こんばんわ。」
なんとなく緊張して声が上ずってしまう。
「この前は、雑誌譲ってもらってすんませんでした。」
男は髪をかきながら頭を少しさげた。
「えっいや、別に雑誌なら何でも良いから...」
「え?そうなんすか。あの雑誌をてっきり読みたいのかと思ってました。」
そうゆうと、男は私の前にある雑誌を引き抜いた。
「この雑誌、知ってます?」
男が手に取った雑誌はGaLAの最新号だった。
知ってるも何も私がの編集担当なんだけど。
と言いたいところだったが、話を合わせる事にした。
「知ってますよ。ファッション以外にも色々載ってますよね。」
「そうなんですかー。」
男は興味があるような無いような返事をして、GaLAを読み始めた。
今度取材に来る事を気にしているのだろうか。
あの企画書を見る限りではメディア嫌いな感じだったし、
ここで言わないで取材に行くのも何だか悪い気がする。
サヤカが言うには一応OKをもらってるらしいから、
言ってしまった方が良いのかもしれない。
「…あの、この雑誌ですけど、うちの出版社で発行してるんです。」
そう言うと男は驚いた顔で私を見た。
「それで、今度の連載の件お話がいってると思うんですけど。」
男はずっと目を見開いて私を見ている。
やっぱりこの話はまずかったかな、と一瞬思った。
男は見開いた瞳を少しずつ閉じていき、半分くらいの大きさまで瞼を下げた。
目が大きいのと、クマで落ち窪んだ下瞼のせいで、半分しか目を開いてなくても
充分大きい。
何か考えているような感じに首を傾げた。
「あー、そうなんですかー。なんか突然電話きました。
それで結構無理くりな感じで取材受ける事になってるみたいすね。」
サヤカの事だ、上手いこと言って押し切ったのは目に見える。
でも怒っている感じではないみたいだ。
だけど乗り気でもない。そんな感じの口調だ。
「すみません。担当の者が失礼な事をしてしまったみたいですね。」
「え?あぁ、別にいいっすよ。すぐ終わるって言ってましたし。」
「じゃあ、大丈夫なんですね?」
「…大丈夫す。」
そう言うと男は手に持っていた雑誌を棚に戻した。


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