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憂と聖と過去と未来
【幼馴染 恋愛小説】

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憂と聖と過去と未来3-9

***

それから佐山さんのことは気にせずに時間を過ごした。
気にしたって始まらない。

それよりも、チョコを聖にいつ渡すか…


休み時間はほとんど佐山さんと会ってるみたいだし、同じように昼休みや放課後も無理。
帰宅して、聖の部屋まで持っていけばいいけど聖が帰るのは夜中らしいし、できれば直接会って渡したい。

どうしよう…

あたしは数学の時間中、目一杯そのことに時間を費やした。



考えた末、いい案を思いついた。
今日の四時限目、うちのクラスは体育なのだ。
当然着替えて体育館に向かわなければならないために佐山さんは聖に会いにいかない。
ところが、あたしはちゃっかり制服の下に体操着を着ている。
まあ、ちゃっかりというか、恥ずかしい話なのだが。
だから急いで着替えて体育館に行くふりをして聖の教室である二組へ向かい、聖が出てくるのを待ってチョコを渡して急いで体育館へ向かう。

所々に不備が見られるものの、決して悪くはない案だと思う。というか、これくらいが限界だ。


実際、冷静に考えればこんなことする必要はなく、堂々と渡せばいいのだが、さっきのこともあるし、極力佐山さんの前で渡すのは避けたかった。

佐山さんは怖い。
体育祭のときは気のせいだと思っていた。
けど、さっきのあの目、声。
必ず怒りを感じている。

そして、あたしの体は間違いなく恐怖を覚えている。

そんなことを考えていると、また以前、佐山さんに聖のことを頼まれたときの顔や、佐山さんが聖と付き合うことになったときの顔を思い出して苦笑いしてしまいそうになる。


脱線したが、もうひとつ、作戦を成功させるポイントがある。
それは、あたしは聖がいつも四時限目の前に飲み物を買いに行くのを知っていること。

うまくいけばスムーズに渡せる。


あたしは勝負の時間をただ待ち構えていた。


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