投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

卒業〜ある二人
【エッセイ/詩 恋愛小説】

卒業〜ある二人の最初へ 卒業〜ある二人 4 卒業〜ある二人 6 卒業〜ある二人の最後へ

卒業〜少年の話-2

「じゃあな」


そう言って友と別れた道からまだ百メートルも離れてはいないだろう。

振り向くと、誰もいない。




道路と、街と、澄んだ空だけがあって。




その瞬間に解った。




卒業するということ。




過去になることなのだ。




仲間たちとはいつでも会える。




だが、




あの日、




あの時、




この道を歩いていた俺達に戻ることは、もうできない。




きっとこの思い出は、儚く美化されて。少しの痛みと悲しみを。そして、懐かしさを放ち続けるんだろう。

戻れない。この事実を知った瞬間に、何故だか涙が出た。




止まらなくて。




皆が悲しいと思った理由が、これに近いのかと思うと、確かに泣いてしまう理由も納得できた。

踵を返して、家路に着く。

この気持ちをどうすればいいのか解るほど、大人ではないから。





風が、涙の跡に少しだけ染みた。


卒業〜ある二人の最初へ 卒業〜ある二人 4 卒業〜ある二人 6 卒業〜ある二人の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前