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卒業〜ある二人
【エッセイ/詩 恋愛小説】

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卒業〜少年の話-1

卒業ってなんだろうか。

証書の入った筒を見ても、なんの感動もわかなかった。

風が頬を通り抜ける。

この屋上の眺めがもう見られないと思うと、少し寂しくなる。

だが、なんで寂しくなるのか。その理由がわからなかった。

後ろから扉の開く音が聞こえる。振り向くと、ここで馴染みとなった女の子が立っていた。


「卒業、しちゃったね」

「ああ」


彼女は俺の横に並ぶと、同じく手摺に肘をかける。何度も見た光景だった。

ここで彼女と会うようになって、もう一年は軽い。だが、可愛いのだが不思議と恋愛感情は起きなかった。

他愛もない話をして、予鈴がなったら戻る。たまには二人でサボったりもした。


「少し、寂しいな」


そんな呟きが聞こえても彼女の方には振り向かなかった。

声が震えていたから。

出来るなら、最後まで今までの形でいたかったから。

彼女は一言、じゃあねと言って去っていった。

前に聞いた話だと、南の方に進学するらしい。

彼女に聞いてみたかった。なにが寂しいのかと。

だが、彼女はもういない。結局答えは見つからないまま、教室へと戻った。




最後のホームルーム。女の子は大半が泣いていた。

確かに泣きたくなる気持ちはわかるし、悲しくもなった。ただ、その理由が分からなかった。

いや、

悲しいのが分からないではない。きっと、なんて言葉にすればいいのかが分からないんだ。

最後のホームルームは俺の胸に何かを残すこともなく、終わった。




最後の帰り道。いつもの仲間たちとやはり最後までいつも通りに馬鹿な話に花を咲かせる。

一人、また一人と別れていき、最後には自分だけとなった。


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