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『あたしのビョーキ』
【同性愛♀ 官能小説】

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『あたしのビョーキ』-13

 地面を蹴っ飛ばし、勢いをつける。
 ブランコは九時を目指すけど、もう少しいける? いや、いけるさ! よし、次でジャンプするぞ!
 ブランコから飛び降りるあたし。スポーツ万能ってわけじゃないけど、これぐらい平気。一瞬の浮遊感を楽しんだ後、両足でしっかり着地。うん、十点満点だ!

「わあ、すごい」

 場違いな声と拍手が沸き起こる。つか、誰かいたの? 気付かなかった。

 ジャージの裾についた土ほこりを払うフリをして顔を隠す。つか、ガキじゃあるまいし、恥ずかしいところ見られたな。同じ学校の子ならやだな。
 あたしがそんなことを考えている間、目の前の子はずっとこっちを見ていた。

「あの、なんかようですか?」

「ん、別に」

 それならどっか行けよ。
 内心悪態をつきながら、もう誤魔化せないと立ち上がる。
 その子はあたしより少し背が小さいけど、多分年上だと思う。少なくとも大人だ。
何故かそう感じた。

「考え事してたでしょ」

 猫みたいな目であたしを見る彼女に、一瞬心を読まれたのかと思った。けど、こんな時間に一人ブランコこいでいたら誰だって考えごとしてると思うわな。

「ね、隣に座っていい?」

「いいですけど、あたし、帰りますよ」

「あら、少しぐらいいいでしょ? そうだ、私の友達になってよ」

 なんか変なのに掴まったぞ?

「だってさ、最近小さなお友達ばっかりなんだもん。たまには大きなお友達も欲しいな」

「はあ、そうすか? そんなの学校で募集してみてはいかがすか?」

 乱暴な対応だけど、今はそんな気になれない。だって、失恋したばっかだし。

「失恋したの?」

「え!」

「なんてね。おおかた試合でへまして怒られたってとこでしょ?」

 おいおい逆だ。試合じゃエースだっつの。

「バレー? それともバスケ? んー、バスケね」

「よくわかりますね」

「へへ、さっきの見てたし」

 さっきの見てたって、それいつから? まさか……。

「試合中、ファール三回も取られてたね」

 なんだ試合中か。


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