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【私のビョーキ】
【ショタ 官能小説】

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【私のビョーキ】-8

***−−−***

 アッキーのお父さんは、車をデパートの車庫に止めてから戻って来た。
 カジュアルな恰好といえば聞こえがいいけど、いい年のおじさんがジーンズにシャツの裾を出している着こなしは締まらない。若く見せようとしているのが空回りしている典型かな?

「初めまして。えっと、阿川さん。いつも息子がお世話になっています」

「こちらこそ。初めまして、阿川美雪です」

 目下の私にも敬語を使ってくれる大人にちょっと驚いてしまう。だけど、アッキーのお父さんってことは……。

「ねえ、早く行こうよユッキー、僕お腹ぺこぺこだよ」

 アッキーは私の手を引っ張ると、エレベーターへと引っ張る。

 七階の食事コーナーにつくと、アッキーがカツ丼を指差して食べたいとはしゃぐので、お昼はそれに決まった。
 ただ、話の流れのわからない私は借りてきた猫のように縮こまるばかり。
 さっきから何度もアッキーが怪訝そうな顔をしてこっちを見るけど、私はアッキーにこそ、理由を聞きたいのに。

「突然、迷惑だったよね。でも、せっかくだから息子の大切な友達に会っておきたくてさ」

「そうなんですか」

「うん。秋雄が学校行くようになったのも、友達とケンカしなくなったのも、全部阿川さんのおかげみたいだしね」

「違うよ。俺がユッキーを守ってやってるんだい」

「そうですよ。ユッキー、私がイジメられそうになったのを助けてくれたんです」

 微笑ましい思い出の一ページだけど、四人に立ち向かった点は確かに立派だと思う。

「そうか? それはえらいな、秋雄。……実は秋雄の服を買いたいんだけど、僕はこの通りセンスがないんだ。それで秋雄の友達に会うついでに若い子のセンスを見習いたいと思ってね。昼飯はバイト代だと思ってよ」

 なるほど、アッキーのお父さんは息子に会いに来たんだ。
 そういえば離婚した後も子供に会いに行く権利があるとか聞いたことあるし、それかな。
 でも、正直複雑だ。だって、この人たちのせいで秋雄はイジメられたんだし、のこのこ現れて昼飯で釣ろうなんて根性が気に入らない。っていうか、その前にすべきことがあったんじゃないの?

「私……受験勉強で忙しいんです。なので、今日は……」

 断ろう。なんかヤダ。
 アッキーには悪いけど、大人の無責任に付き合わされるみたいでしゃくだもん。


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