マッドな彼女with俺4-3
「星さんはどこから来たの?」
「ぇ、えぇと…暖かい所からです」
「好きな食べ物は?」
「ほっ、干し芋です」
「最近ハマってることって?」
「はぅ…は、走り幅跳びです」
現在休み時間。
俺の隣りの席では星さんが無数の人に囲まれており、お約束の『転校生質問タイム』が行われているのだが……いろいろとツッコミ所満載な気がしてならない。
「駿八よ、お前は星奏をどう見る?」
あぁ…ウザいのが来た…
「どうって、別に普通だろ」
「普通か、フッ、お前もまだまだだな。
俺が思うに星奏は一見するとCランクと言う普通のレベルだが、あの瓶底眼鏡によりメガネオタク通称メガオタのポイントが2倍になるという特殊能力が発動され、さらにはあの独特の天然ボケ萌え〜の相乗効果により俺のポイントが通常の8倍に…!結果、彼女はBランク…いや、あれは近年稀に見るAランクだッ!!」
ビシッと星さんを指差しながら語る稔。
頼むから死んでくれ。
「フッフッフッ!
それではいざ秘境の地へ突入であります!!」
そう高らかに宣言すると変態1号機は人だかりへ突っ込んで行った。
「はわわわ…そんなにたくさん答えられないですよぉ」
「フッ、案ずるでない!奏ちゃん!
この俺、全国美少女推薦委員会副会長兼株式会社MOEMOEparadise代表取締役社長・迷える小羊たちのために悪を裁く正義のラヴコンダクター、谷崎稔が来たからにはもう安心!!
貴女を邪悪な男共から守ってみせるッ!!」
お前だよ、一番の悪は。
「え、え??あ、あのぉ」
「むふふ〜、ではでは奏ちゃんに質問です!
ズバリ貴女が今穿いているぱんてぇ〜の色を御教え下さいませ!!!」
出たぁー!
堂々とセクハラだー!!
「え!?えと、えと!?」
「焦らず焦らず、時間はまだまだあるんだから。けっけっけギャヒアッ!?」
!?
稔の背中に鋭利な刃物が!!
「はい、終〜了〜。
楽しかったかな?ミ・ノ・ル☆」
倒れている稔の髪の毛を楽しそうに掴み上げる蒼衣ちゃん。
め、目が笑ってない…
「でも、ちょっとおとなしくしててね〜。
これからが本番なんだから〜♪」
そう言い残して蒼衣ちゃんは稔を引きずって教室を後にした。
稔…GOOD LUCK!
とりあえず稔の悲鳴が聞こえている方に向かって敬礼をしながら、そう思う今日この頃であった。