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マッドな彼女with俺
【コメディ 恋愛小説】

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マッドな彼女with俺4-2

ガラッ


みんなの注目が一気にドアに向けられた。
そして…

「きゃふぅっ!?」


ドテンッ!!


こけた。

そりゃあ、まぁ見事にこけた。
ほとんど段差なんてないに等しい入口でこけやがった。

「うぅ……はぅ!」

こけた彼女はみんなの視線が自分に集まっていることに気付いたらしく、慌てて教壇を上ろうとして、また

「ふへっ!?」


ズデンッ!!


こけた。

今度も見事にこけた。
なんか、もう、そりゃあ、素晴らしくこけやがった。

「えーと、大丈夫か?
そ、それじゃ自己紹介を」

そう言って担任が彼女を起こす。

「ふぇ…すみません!すみません!」

ありえないほど謝りながら、立ち上がる。

身長は女子の平均よりちょっと高いくらいだろうか。
やや細身な体形で背中の中ほどまである長めの銀髪が太陽の光に映えてとても美しく見える。

そして何より目を引くのが彼女がかけている眼鏡である。
あれは…一言で表すならば、まさしく『牛乳瓶の底』!
厚い!厚すぎる!!
これほどまでの眼鏡レンズがこの世に存在していただなんて…まったく、世界は広い。

「えと、えと…あ、ああああの…わたわわわ私、星奏(ほし かなで)と言いますでひ!よよろしっ…よろしくお願い致しますですでしたぁっ!!!」

頭が膝にくっついてるんじゃないかってぐらい、もの凄い勢いでお辞儀をする星さん。

我がクラスメイトたちはと言うと、なんとも表現しづらい表情で疎らな拍手をしている。
…まぁ、そうなるわな…。

「お、おぉ、星、もう顔を上げてもいいと思うぞ…。
じゃ、じゃあ、そうだな…おっ、真田の隣りが空いてるな。とりあえず、そこに座ってくれ」

「えっ」

突然自分の名前が出て、急いで俺の横を見てみると、なんともまぁ都合良く席が空いている。

星さんはトテトテとおぼつかない足取りで俺の横の席に着くと、こっちを向いてあたふたと手をあっちにやったり、こっちにやったり。
…パントマイムか?

「…えーと、俺、真田駿八。よろしく」

「ふぁ、はぃっ!よ、よろしくですッ!」

照れ隠しなのかニコッと微笑んでお辞儀をした。
あれ?
なんかどっかで会ったような気がするな………気のせいか?

「はーい。それでは授業を始めます!」

ま、何にせよ今日もまた賑やかになりそうだ。


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