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fantasy ability
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reality ability‐第8話‐刻印・【真】‐-5

部屋の時計の音だけが響く。何もしないが真剣な表情の皇希。皇希をただただ見ている真剣な表情の織音。

「‥‥‥解った、織音。その気持ちは本物だ。」

と、皇希が言葉と当時に剣を織音に返した。織音は受け取り、直ぐに消す。

「‥‥ありがとう。」
「‥いや、いい。だが、この【真実】を知って上での気持ちはどうなるかな?」
「えっ!??」

皇希は織音の頭を人差し指で軽く突く。

「っ!!!???」

織音は突かれた瞬間に頭を押さえて倒れる。次第に目も閉じていき、すぅすぅと安らかな寝息を立てて睡眠状態に入った。
皇希は織音をベッドに寝かせ、自らは椅子に座った。疲れたような表情に思えたがよく解らない。

「‥‥答えはどうなる?俺の死か、生か?」

皇希は“無限の無”を封じた箱状のモノを解放した。そして、零歌の姿をした擬似体を即座に作る。
その擬似体は目を開け、体を動かす。感覚を確かめたようだ。

「流石ね、完璧よ。‥‥ところで、どうして“嘘”を付いたの?」

その口調からはいつもの彼女らしさはなかった。流暢な口調だった。皇希の擬似体がそれほどの出来なんだらろう。
零歌の言った“嘘”。どの事だろうか?選択肢は3つぐらいだった。

「‥‥答える必要はないから言わないぜ?」

そう言った皇希。何か、懐かしい雰囲気を纏った皇希だった。零歌は目を閉じる。

「‥‥。まぁ、いいわ。‥で、私を解放した理由は何?」

零歌は目を閉じたまま、言った。その様子からは何かを警戒したような行為だった。

「“真眼”対策か。‥意味が無いがな。‥‥理由は織音を守る必要はないからだ。奴の所に帰れ。‥‥これは命令だ。」


皇希は狂気と狂喜の眼差しで零歌を見ていた。

「‥‥‥。解ったわ。‥貴方が“イレギュラー”と呼ばれる理由が知りたいわ。教えてくれない?」

零歌は聞く。依然として目を閉じたままだが、その表情には余裕がなかった。

「それも奴に聞くんだな。‥俺の“絶命”を“知っている”のなら答えられるはずだ。」

笑うような声で皇希は言った。もちろん、表情はそのままの上、零歌‥‥そして、“未来の自分”を見下すような態度だった。
奇妙な事だ。現在(いま)の皇希が未来の皇希に強気なのが、‥‥本当なら、いや、普通の“人間”なら未来の自分と会ったら少なくとも信じない。
‥‥皇希がこの“出来事”に対して耐性力が出来たのか。はたまた“何かしらの覚悟”が皇希を強気にさせているようだった。


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