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僕とあたしの夏の事件慕?
【幼馴染 官能小説】

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僕とあたしの夏の事件慕? 第一話 「お金持ちは色々タイヘン!」-9

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 あたしは蔵を見せて欲しいとねだった。理由は『明らかに怪しい』ことと『珍しい』こと。幸い真琴も賛成してくれたし、梓も反対はしなかった。



 蔵には頑丈そうな鉄製の厚いドアで塞がれており、いかにも何か大切なものが隠されている気配。早速錠前を外し、三人掛かりでドアを開けようとすると意外にすんなり開いた。



「わぁ、すごい広い! なんか時代劇のセットみたいですごいな!」



 喜んで入る真琴に続いてあたしも入ってみた。しかし、懐中電灯に照らされる蔵の内部は箪笥や本棚がたくさんあるだけで、何か大切な物を収納するというより、ただの大きな物置という感じがする。ついでに言うと黴臭く、あまり長居したい場所でもない。



「どお? 何かあると思う?」



 振り返ると、梓は扉の前で仁王立ちしたまま、入る気配が無い。



「うーん、正直微妙……」



 蔵に対する魅力も失せたのでいいかげん出ようとすると、蔵の入り口近くに誰かが近づくのが見えた。



「そこで何をしている!」



 見知らぬ男の声が蔵に響く。そんなに大きな声出さなくても聞こえるのに。



「あら、何か文句あるのかしら哲夫、ここは真澄家の蔵よ? 何をしていてもあなたに文句を言われる筋合い無いわ」



 哲夫と呼ばれたそいつはいかにも体育会系だけど、梓は怯むことなく言い放つ。意外と度胸があるのね、お嬢様は。



「口の減らねえ奴だな。まあいい、今のうちにいきがっているといいさ」



 つまらなそうに言い捨てると哲夫はどこかへ行ってしまう。


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