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過激に可憐なデッドエンドライブ
【ファンタジー その他小説】

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過激に可憐なデッドエンドライブ-64

「今から貴様を厳重に封印してくれる」
 左手を目まぐるしく動かすリリムレーア。数秒にひとつのペースで術式を描いていく。
「甲種防壁、水呪縛、十字縛印、結晶封印、魔封占決……」
 リリムレーアの知る全ての封印術式を出鱈目に掛けて行く。
「ぐううう、やめロ、グワアアア!」
 頭を掻き毟るようにして苦し悶えるアシュラ。
「テツヤ、帰ってきて! テツヤ。テツヤ!」
 突然、アシュラが激しい炎をあげる。それは消える寸前のロウソクのように、儚い炎だった。かつての猛々しさは、ない。
「第十三空間防壁…結!」
 大きく印を切るリリムレーア。そのまま、地面に片手をつく。
「はあはあ、テツヤ…」
「テツヤ!」
 炎が燻るようにテツヤの全身から黒い煙が立ち込める。そんなテツヤの両肩を掴んで揺さぶるキョウ。
「……うう」
 ゆっくりと目を開けるテツヤ。すぐさまキョウが抱きつく。
「テツヤ! 良かった」
「うお、なんだよ、キョウ! 男同士で抱き合ってどうするんだよ」
「良かった、いつものテツヤだ」
 そんな二人を銀髪の少女が切なそうに見つめている。
「お前…」
 リリムレーアに手を伸ばすテツヤ。その肌は冷たく、かすかに震えていた。
 思わず胸が締め付けられそうになった。血まみれの少女。目に涙をいっぱいためて何かを必死に堪えている。それなのに、その少女の肩はなんて小さいのか。
「一人でがんばるなよ」
「テツヤ…」
 頬を撫でてくれるテツヤの手にそっと掌を添える。その手は大きく、温かかった。
「悪かったよ。俺も力を貸してやるから、そんな顔しないでくれ。リリムレーア」
 そのままテツヤに抱き寄せられる。
 キョウとテツヤと、突然静かになった教会で身を寄せ合った。
「…」
 ゆっくりとテツヤの頭を引き寄せ、そのままぶん殴った。
「痛って!」
 突然、リリムレーアに殴られた。
「貴様、無礼だぞ。ご主人様に向かって馴れ馴れしい」
 なぜか怒りを露わにするリリムレーア。
「無礼て…。今すげえいい雰囲気だったし! 空気読め!」
「はあ? どれだけ自意識過剰なのだ」
「自意識て…。お前を助けようと思って、怖かったのに、死ぬほど怖かったのに、空飛んで来たんだぞ! 空だぞ、空! 高いなんてもんじゃねえよ」
「いや、助けに来るのは当り前だし」
 即答だった。ちょっと言葉づかいをマネられたのが更にむかついた。
「なんじゃそらあああ!」
 げし。思い切り頭を踏ん付けられる。
「図が高い。大体なんだ、お前は。そ、そんな格好をして」
 柄にもなく言いよどむリリムレーア。
 格好ってなんだよと思って服装を確認し―、てみるまでもなく、俺は全裸だった。
 あれまたやっちゃった? また脱いじゃった、俺? 無意識に服を脱ぐ病気、俺?
 どんな病だよ!
「変態め! オシオキだ、オシオキ!」
「ああ、あああ!」
 そんな二人をキョウが生暖かく見守る。
「はは、二人とも楽しそうだね」
『どこがだ!』
 リリムレーアとテツヤがハモる。
「まあ、二人とも元気で良かったよ」
 そんな二人に笑顔を返しながら、キョウは内心で複雑になる。
テツヤの前じゃ全然性格違うんだ。


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