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過激に可憐なデッドエンドライブ
【ファンタジー その他小説】

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過激に可憐なデッドエンドライブ-47

「なんだ、そうだったのか。男だったら、自分の言葉に責任持てよな、帆村」
「そうよ、帆村くん! 見損なったわ」
 しかし、俺の予想に反してクラスメート達はなんの違和感も抱かなかったらしい。
「くっ、お前ら…」
 窮地に立たされる俺。
 こんな時にいつも味方になってくれるはずのさくらは、首の骨、折れちゃうよ? と心配になるくらい不自然に顔を背けている。
「よし、じゃあ話がまとまったところでリリムレーアさんは、帆村の隣の席を使ってください。何かと便利でしょうから」
「すまないな」
 全くまとまってない話を強引にまとめた矢茂目に促されてリリムレーアがてくてく歩いて来る。
 その目は、負け犬を見るかのように俺を見下していた。
「くっ、くそう…。お前ら、覚えてやがれっ!」
 結局、負けを認めてしまった俺は、バイキンマンのような捨て台詞を吐いてから、がたんと席についた。

 三時間目は数学の時間。
 ばさばさ。
 教壇では、数学のしがない滋賀内先生が黙々と黒板に問題を書いている。
 ばっさばっさ。
 四角い眼鏡をかけた気の弱そうな先生だ。
バッサバッサ。
…なんだか、めちゃくちゃ落ち着かなくて膝をガクガクと揺らした。
「こら、帆村! ガタガタうるさいぞ」
 すかさず叱責された。
 そうだよな。授業中にビンボーゆすりしちゃいけないよな。
 俺が悪い。俺が悪い。
 そう殊勝にうんうんと頷きながら。
「って、もっと悪い奴がいるだろうがあああああ!」
 思わず立ち上がって叫んだ。
 そして、ギロっと横を見る。
「何やってんだ、あんた!」
 急に睨まれたリリムレーアは、自分が何かした? とでも聞くような顔をした。

 話は少し前に遡る。
 一時間目、リリムレーアが座るのに疲れたと言い出すと、どこからともなくヘリが飛んできて、ヨーロッパ風の高級そうなソファーが運ばれてきた。
 かなり疑問には思ったが、まだ学校に慣れてないからと、体内のツッコミ虫を押しとどめた。
 二時間目、眠くなったと言ったリリムレーアはソファーに横になると、すうすうと寝息を立て始めた。しかも、なぜか教師が気を使って二時間目の授業は全員で教科書の黙読になった。
 いい加減、突っ込もうかとも思ったが俺は心の広い漢なのだと自分に言い聞かせて堪えた。
 三時間目、目を覚ましたリリムレーアが暑いと言い出すと、どこからともなく白いスーツに身を包んだ金髪の美男子達が現れ、冗談みたいにでかい葉っぱでリリムレーアを扇ぎ始めた。
かなりウザかった。大体冬だし。
何よりもリリムレーアを囲むようにして美男子達が立って扇いでいるため、リリムレーアの横に座っている俺には美男子の肘が当たったり、顔のすぐ横ででかい葉っぱがふぁさふぁさ動いていたりして、目障りで仕方がなかった。
今リリムレーアは、数人のイケメンに傅かれ、でかいソファーに悠々と横たわり、眠そうな顔で欠伸をしている。
でも、俺は耐えようとした。オイオイこの女の頭が腐っているなんて前から判っていたことだろう。何を今更…。
そう思って自分を落ち着かせていた。そんな時、わずかな貧乏ゆすりを注意された。
その時、頭の中で何かがプツンと音をたてて切れた。
「俺なんて注意してないで、この勘違い女を注意しろ!」
 教壇の滋賀内にびしっと指摘する。
「はは、先生には帆村が何を言っているのか、わからないなあ…」
 ずれた眼鏡を直しながら、滋賀内が言う。やけに眼鏡が光を反射しているように見えるのは気のせいだろうか。
「何言ってんだよ! 明らかにこの教室内になんちゃってクレオパトラみたいのがいるだろうが!」
「そんなもの見えない! 私には見えないぞ! 帆村!」
 必死に否定しながら滋賀内が近寄ってくると、俺に顔を近づけて呟いた。


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